歓迎を込めて花を飾る
『ようこそ』
相手をあたたく迎え入れる言葉
歓迎や喜びをあらわす言葉
感謝や労いをあらわす言葉
大好きな友人が遊びにきてくれるとき
日にちをあけて家族が帰ってくるとき
家族にとっての大切な人が訪れるとき
会えるのが嬉しい
楽しみに待っていたよ
来てくれてありがとう
そんな気持ちを込めて 必ず花を飾ります
その人が花に興味がなかったとしても
その人の目に留まらなかったとしても
私のささやかな “ようこそ” の気持ちです
***
先日うちに来客がありました
お客さまなんて ずいぶんと久しぶり
突然のことにちょっと緊張
しかも初めましての方です
掃除を済ませ いつもの花屋さんへ走ります
小さな花屋さんにも季節の移ろいが感じられます
扉を開けた時の空気感
花々が ようこそ というように
一斉にこちらを向いています
さて、どの花にしようかな
その方だってきっと緊張してるよね
少しでもくつろいでもらえるように
秋らしい落ち着いた色合いの花にしよう
トルコキキョウ
バラ
アストランティア
千日紅
秋明菊
シックなアンティークピンクを基調に選んでみました
心からの “ようこそ” 伝わったかな…
***
大阪の実家を出て かれこれ二十数年経ちます。
これまでも年に1、2度ほどしか帰らずに、あんまり実家には寄りつかないタイプなのだけど、たまに 帰ろう とか、帰らなくちゃ っていう気になる時があります。
帰る時にはいつも突然の申告をして母を驚かせてしまいます。
「明日ちょっと帰るね」 とか、
「これから新幹線に乗って帰るよ」 とか。
母はえぇっ!っと驚いて
「なんでまたそんな急に言うのん〜」
となります。
けれど、帰ればいつだって たとえ小さくても私の部屋には新鮮な花が挿してあることに気がついていました。
突飛な私に しょうがないなぁ…と母は呆れていたかもしれないけれど、そこには「ようこそおかえり」と迎えてくれてる温かさがありました。
母からは そんなさりげない気遣いを自然と学んでいたような気がします。
「なんでも気持ちが大事やねん」
商売人の母は昔から気持ち、気持ち、とよく言っていました。
人を大切にすること。
サービス業は商品だけではなくお客さまとの気持ちのやりとりが商売の要。
ここまでなんとか商売を続けてこられたのも それがあってこそなのだと思います。
人とのつながりは信頼関係
相手への誠実さ、思いやり、真心が大事なんですね。
どんなに豪華なご馳走や 高価なプレゼントよりも、思い出の最後に残るのは 通じ合った気持ちなのかもしれません。
両親は 朝から晩まで忙しく働いていたので、あまりじっくりと語り合ったり 何か特別教えてもらったような記憶はありません。
でも知らぬ間に 少なからず親の影響を受けていて、実はいろいろと大事なことを教えてもらっていたんだなぁと 今になって感じることが多々あります。
商売する両親の姿を見ながら育ったので、そんなところからもコミュニケーションを学んでいたような気がしています。
いいなと思うことは素直に受け継いでいきたいです。
ここを訪れてくださった方へも 心からの “ようこそ ”を。
またいつでも 気軽に遊びにきてくださいね。
どうぞよい一日を、よい一週間を
#40. 『 Welcome 』
⭐︎ささやかに飾る 小さきイヤリング久しき口紅のピンクベージュ
⭐︎進まない時計の針よ スリッパを揃えて待つはあと十五分
ー ちる ー
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