鳥見日記<M公園編>1/2話 不審者は池の裏に
鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんと午後から鳥見の約束をしていました。
たまたまモカさんから電話が来たので、思い切って待ち合わせ場所の変更を申し出ました。
「M公園へ」
変更したい理由はモカさんに既にメールをしてありました。
M公園の探鳥会にて、池にトモエガモがいたからです。
こちらの地域はトモエガモが少なく、私も会ったのはこの日の探鳥会でやっと2回目でした。
大きい貯水池のそばの駐車場に車を移動させて停めました。
そんなに待たずにモカさんも着いたので、一緒に池で鳥を見ることにしました。
モカさんに、せっかく足を運んでいただいたのですが、トモエガモは分かりませんでした。
とにかく池の奥が遠かったです。
カモを1羽1羽確認するようにして、気になった鳥を撮りました。
写っていたらいいなと念じながら。
カモは頭を背中に乗せて羽根の下に入れて寝るので、そうされてしまうとよく見分けられないのが惜しかったです。
残念。
モカさんと池の回りを歩くことにしました。
池の東側から歩き始めたのですが、どういうわけか、鳥の姿がありませんでした。
池の北側へ。
ここには、池に注ぐせせらぎがあるのですが、水が流れていてあまり藪になっていないところを通って、男性がふたり池の方から歩いてきたのでビックリしました。
普通ならこんなどころは通りません。
カジュアルな服装にスニーカーで、沢を歩く格好ではありません。
モカさんには、男性ふたりが「クチバシの色が……」と話しているのが聞こえたそうで、だとしたら鳥目当ての人と思われます。
なんだか嫌な予感がしました。
この公園には、見栄えのいい写真を撮る事が重視で、鳥が好きではなく、手段を選ぶ気がない人がいると気付いていたからです。
嫌な予感どおりなのか、それとも偶然か。
池の周りをさらに進んで、西側の見通しのいい場所に出たときにそれは起こりました。
池にいた水鳥が慌てたようにバサバサッと飛び立ちました。
しかも、北側の岸辺から。
まさか。
先ほどの男性ふたりが、池の奥から鳥が出てくるように何かを仕掛けたんじゃなかろうな。
証拠はないのですが、とても悲しくなりました。
2につづく。
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