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時に親鳥は非情さを持ってヒナを選別する

 Kさんは70代くらいの男性です。
 山で暮らしていたから鳥に詳しいと言っていました。

 探鳥会で教えていただいたKさんの話の中に、興味深いものがあったので書いてみたいと思います。
 口調もそのままです。



 山で鳥のヒナを拾ったら網に入れておくんさ。
 (網と言っていたけど、鳥かごと思われます)

 網にヒナを入れておくと、親がやってきて、ちゃんとエサをやるんだ。
 ヒナが育って大きくなると、親は網から出てくるように促すんだ。

 でも、ヒナは出られない。

 ヒナが出てこられないと分かると、親鳥は毒のエサを持ってきてヒナを殺しっちまうんだ。

 みんなは毒グモだって言うけど。

 日本にはけっこう毒グモがいるんだよな。
 赤い毒グモが話題になったことがあったけど。
 (セアカゴケグモだと思う)

 何回拾っても、そう。
 どんな種類でも、そうなんだ。

 こんな感じ。
 Kさんはとても悔しいことのように話してくれました。

 今は野の鳥を飼うことが禁止されているし、こういうことを知る機会はありませんでした。

 山で暮らしていて鳥が身近だからこそ知ることができた知識ではないかと思ったのです。

 ヒナが自然界で生きられないと判断したときの親鳥の決断がなかなか悲しく、自然の厳しさを改めて考えるきっかけになりました。

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