コガラ、ちゃぷっと水浴び
先日、A施設へ鳥見に行ってきました。
ここはゆる支部でよく話題になるところで、名前だけは知っていました。
冬の間は施設がお休みになってしまうと聞き、熱心にすすめてもらったのもあって、思い切って足を運んでみました。
受付で入場料を支払うと、スタッフの女性から
「こちらの施設は初めてですか?」
と、声をかけられました。
「そうです」
「もしかして、Oさんのお知り合いですか」
今回、A施設での鳥見を熱心にすすめてくれたのはOさんでした。
ここで名前が出るとはたいした御仁だと思いながら「そうです」と答えると、スタッフさんは園内のおすすめ散策コースを教えてくれて、さらに熊鈴を寄こしました。
「念のため」
「あ、ありがとうございます」
「後で返してくれればいいですから」
建物を通り抜けて、そこから庭園に出られました。
階段をのぼると開けた場所に出て、展望台と、奥に続く道がいくつか見えました。
周囲の植物には霜がびっしり付いていました。
白い結晶がとても美しかったので、これだけでも来て良かったと思いました。
看板があって、そこには庭園で見られる鳥が描かれていました。
その中にミソサザイの絵を見つけました。
ミソサザイは寒くなったのでとっくに山を下りてしまったでしょうけど。
やがて、スタッフさんに教えてもらった池に着きました。
ゆる支部の噂では庭園の池に小鳥が来るのだそうな。
ただ、池には厚く氷が張っていました。
しばらく待っていたら、頭上がにぎやかになりました。
赤い鳥がいるみたいですが、枝が多くて撮れません。
そこへ顔見知りがやってきて驚きました。
ゆる支部の役員をしているSさんで、探鳥会第一部だけ参加して、こちらに来たのだそうです。
「何かいた?」
「今、真上にいます」
Sさんは上を確認して
「たぶん、降りてくると思うよ」
しばらく待っていたのですが、その鳥は下りてきませんでした。
Sさんは氷の張った池を見て、枝を拾って、氷を叩いて割ろうとしましたが、先に割れたのは枝の方でした。
さらにSさんは三脚を持ち上げました。
三脚で氷をガキッ
これでやっと池の氷が割れました。
お昼になったのに、厚い氷がまったくとけてない状態です。
Sさんいわく、山の水が凍って、飲み水がなくなったら、鳥は山を下りて、山からいなくなるそうです。
ただでさえ鳥が少ない時期だから、鳥が来なくても仕方がないと言われました。
しばらく待っていたらコガラが下りてきました。
水が冷たいだろうに、水場に下りてちゃぷっと水浴びをしていきました。
コガラはあまり撮ったことがなかったので、ちょっと満足しました。
鳥が下りてくる気配もなかったため、Sさんに声をかけて、引き揚げてきました。
施設で熊鈴を返そうとしたところ、ひとりのスタッフさんがストーブをつけて、もうひとりのスタッフさんが椅子をストーブ近くに置いてくれました。
「寒かったでしょう」
「ストーブ付けたから、暖まっていってください」
すごい好待遇にビックリしました。
A施設がおすすめってみんなが言うのは、鳥よりもむしろスタッフさんの事かと思いました。
看板にミソサザイが描いてあったのを思い出して
「ミソサザイってどの辺で見られるんですか」
スタッフさんたちは嬉しそうに
「この間、ミソサザイが施設の中に入ってきちゃって!」
「普段は岩の上とかにいますよ」
そう言って“玄関マット上のミソチー”の写真を見せてくれました。
どうやらミソチーはそこら辺にいるみたいです。
とても居心地が良かったので、春にオープンしたら通おうかと思ったら、こちらのスタッフさんは任期切れでお辞めになるということでした。
惜しい。
でも、最後の最後に行くことができて良かったと思いました。
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