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初心者向け探鳥会、スタッフも初心者なり。 探鳥会レポート<H公園編>1/3話 2023年12月

 私はもともとイベントのレポートを書くことが得意でした。
 野鳥が好きで、野の鳥の魅力を伝えるためにnoteを書いているのですが、実際は人も好きで、いろんな人のやりとりを書くのが好きです。

 鳥を好きになったものの、最初は鳥とうまく向き合えませんでした。
 近寄りすぎては逃げられ、細かい枝に隠れる鳥をなかなか見つけられずにいました。

 少しずつ変わることができたのは、探鳥会のおかげだと思います。

 鳥は警戒心が強いからゆっくり少しずつ近づくといい。
 鳥は好む場所があって、木のてっぺんを好むのはどんな種類かなどを覚えておくと見つけやすい。

 鳥の知識、ベテランが経験して身につけた鳥とのちょうどいい距離、鳥の居場所を他の誰かに教えるコツ。

 数え切れないほどの鳥に関するわざを伝授していただきました。

 いつか私も鳥の魅力を教える側になりたいと思うようになりました。

 まだ鳥見歴3年目なので、もう少し経験を積んでからでも良かったのですが、思いがけず好機が訪れました。

 O分会長のKさんが探鳥会の時にこう言ったのです。

 「12月にO市民向け探鳥会をやります」
 「市民が対象の探鳥会だけど、市民じゃなくてもスタッフとして参加できるようにしました」
 「参加希望者は12月探鳥会の時に申し込んでください」

 スタッフとして参加してみたい!(希望)

 その後、私はスタッフとしての参加を認められ、O市民向け探鳥会に参加したのでした。

 こうして訪れた探鳥会当日。

 この日は晴れていたけれど風がとても強い日でした。

 私が
 「こんなに風が強いと鳥が飛ばないかもしれないですね」
 分会長のKさんは
 「昨夜はもっと風が強かった、こんな中でやるのかと思った」
 とても残念そうに言いました。

 Kさんが上空を指し
 「鳥!」
 見上げると、すぐ真上を飛んでいるのはカラスとノスリでした。

 カラスに追われてノスリは慌てて逃げていきました。

 カラスは先手必勝とばかりに猛禽類にモビングをしかけるところがあります。
 ノスリはネズミが主食でカラスなどは襲いません。

 「ノスリをわざわざ追わなくてもいいのにね」

 見応えのある場面だったのですが、まだ参加者が集まる前で残念でした。
 (しかも写真に撮れていない)

 参加者が集まり、定刻になったところで、主催のあいさつから始まりました。

 今回の企画は環境保護の協議会が主催だそうです。
 今まで魚や水草を調べるなどの活動をしてきたそうですが、鳥は初めてだそうです。

 あれ?初めての企画なんだ?
 そうに聞いたら急に責任感のようなものが生まれ、緊張してきました。

 あいさつが終わると、スタッフの紹介になりました。
 スタッフは私を入れて6名、そのうちスコープ隊は4名です。

 今のうちにトイレを済ませるよう事務局から話があり、人が再び集まるのを待ちました。
 その時間にKさんは駐車場の隅でスコープという望遠鏡を設置しました。

 「天文台を見たい人はいますか」
 「天文台?」

 スコープをのぞかせてもらうと、遠くの山の稜線に建物が見えました。
 「望遠鏡を覗く練習です」

 Kさんが参加者にスコープを覗くように言ったので、私の後ろに列ができました。

 スコープ隊のSさんが
 「ノスリが飛んでいるじゃないですか」

 すぐ後ろの山の上空をノスリが飛んで、あっという間に見えなくなりました。

 良い感じにエンジンがかかった感じです。
 さすが、鳥を見ようという空気を作るのがうまいと思いました。

 トイレを済ませた人が集まったなという頃、探鳥会の列がスタートしました。

2につづく。

この日のために用意した本。

自主的に下見に行っていて
当日出そうな鳥に付せんを貼りました。


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