思考力を鍛えていくには?(国語教育)
次男が就活をしていたとき、とにかく「自分の考え」を文字として表現できずに苦しんでいました。エントリーシート、ガクチカ、とにかくたくさん書かなければならないのに、「書けない」苦しみ。国語教師として、次男のような若者をなくしたい!
想いのきっかけ
次男の就活については
などで書いていますが、精神に異常をきたすほど大変でした。
なんといっても「自分の中のもやっとしたものを言語化し、論理的にまとめあげること」ができない苦しさは想像を絶するものだったようです。
次男から「俺は本をあまり読んでこなかったから考えをまとめるにも語彙がないし、書くこともしてこなかった。もっと本を読んだり、書いたりすればよかった」という後悔の言葉を何度か聞きました。
今からでも全く遅くはないので、就職先が決まった現在、読書を心掛けてはいるようです。
毎回の授業でできること
こんな身内の恥ずかしい体験もあり、高校の国語教師として、「考えて書くこと」の大切さをあらためて感じた次第です。
そして、自分の授業内で何か実践ができないかと考えました。
(私は「書くこと」の大切さをずいぶん前から認知しており、「読書・作文教室」を経営していたこともあるのですが、自分の子どもには全くその重要性を伝えられていなかった点もお恥ずかしいです。)
今年度、転勤したこともあり、全く新しい環境の中、何ができるかと思案しましたが、今年は古典担当・・
古典には「書くこと」領域はありません。
そこで、毎回の授業で振り返りを書くことにしました。
小学生のころから行っている、授業内容の振り返り。
シンプルですが、古典担当としてやれることはそれが限界です。
振り返りシート
初回の授業に、私の授業方針を伝えました。
その際、毎回授業終わりの3分で「振り返りシート」を書くことを伝えました。それを書くことの意義も熱く語りました。
本校は普通科の中のレベルも普通の、本当になんの特徴もない、中堅校。生徒は「ほ~」くらいの反応でした。
シートでは、「日付」、「授業内容をひとことで」、「考えたこと」の三つを書かせます。3行くらい書いたらいっぱいになる小さな枠です。時間は3分しかありません。
そして、「思ったこと」ではなく、「考えたこと」を書くのです。
でも、生徒たちは「道長はすごいなあと思う」的なこと書いてきます。それならまだいいほうで、「板書の字が違ってましたよ」やら「最近、敬語がわかってきた」等の教師への注文や自分の理解度なども書いてきます。
やはり、「考えたこと」を3分で書くのは相当難しいようです。
そして、「考えたこと」とはどんなことなのか、伝えるのも難しいのです。
振り返りシートは二週間に一回くらい集めます。
一クラス40人で、4クラス担当しているので、見るのは相当時間がかかりますが、コメントをつけたり、「考えているな」という部分には線を引いたりして返却します。
コメントを見たり、線の引かれている部分を見て、生徒たちは「考えるとは何か」を少しずつ理解してくれていれば・・・いいのですが、
まだまだです・・・。
学びへ向かう力
振り返りシートの活動をはじめて約3か月、
一学期が終わりました。
生徒たちから集めた山のような振り返りシートを見つつ、「思考力はついてきたのかなあ」とため息。結局自己満足なんだろうか・・と。
私がやりたいことは、学習指導要領国語の「思考力・判断力・表現力」の「書くこと」ではないのかもしれません。
どちらかというと「学びへ向かう力」のメタ認知の部分なのかもしれない、と改めて思い始めました。難しいテーマに取り組んだものです。
二学期以降は「考えたこと」を伝え合う活動を少しずつ取り入れて、自分の考えを言語化したものが相手に伝わるのか、体験させていくつもりです。
ほんの小さな歩みですが、若い人が自らの考えを表現できるようになれるといいなあ。
実は、noteを書く、という活動もいいなあと思っています。
私自身、まだまだ教師修行中、人生修行中。
たぶん、一生、完成しない修行です。
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