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エッセイ: 未だ忘れられないご飯のこと


(座右の銘)

今日一日
怒らず 怖れず
悲しまず
正直 親切に
愉快に生きよ   (中村天風)


現在の私は充実して、好きな事が出来る様になりました。

しかし遠い昔のこと。
ある日突然、中学2年生の時に父が亡くなり、辛い時期を過ごした経験があります。
そんな頃の事を備忘録としてエッセイをnoteに記しておきたいと思い立ちました。




*****

エッセイ 「忘れられないごはん」


人生に於いて試練の一つである公立高校の受験の日、母はメザシを焼いてくれた。
前年に父が亡くなっていたので、私は公立高校一校のみの受験であった。哀しみに浸っているわけにはいかなかった。
もし、不合格なら内科医院の住み込みをして看護学校に通う手筈が整えてあった。
だが母は高校にだけは行かせたいと、思ってくれているようだった。
 私にとって、後がない公立高校の受験の日の朝、母は私に向かって、
「きょうは前祝いでお頭付きのメザシを焼いたわ」と、ひとこと言った。
お頭付きのメザシと味噌汁の朝ごはんは、嬉しかったが、緊張して味わうどころではなかった。
母の気持ちが、ずんと応えていたのだ。
前祝いの朝ごはんを食べて、最寄り駅へ向かったのだが、あろうことか、途中の乗り換えの電車内で足を滑らせて転びそうになった。
危なかった。
当日は雨降りで、電車の床が濡れて滑りやすい状況だった。
私は電車中では滑ったけれど、『入学試験には滑らないぞ』と自分自身にに言い聞かせて受験した。
 数日後、私は校舎の壁に貼られた合格発表で無事に受験番号を見付けることができた。
合格の喜びの涙が溢れてきた。
高校では奨学金を受けて通ったが充実した3年間であった。
 合格の前祝いに母が焼いてくれたメザシのごはんは今も忘れられない。



☆☆☆

ガク紫陽花の季節に


毎年さいてくれる
この紫陽花の可憐さに見惚れる


食べたい餃子をチョイスして

グリーンパスタとグリーンサラダ
とイワシの梅煮の残り



食生活の中で忘れてはならないのは、相手を思いやる心を大切に。
そして一人で食べるご飯は、もう一人の自分を思いやる気持ちを大切に。。。




それではまた🍀