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もうひとつの「NEWTYPES」

最後まで言うべきか迷いました、「もうひとつのNEWTYPES」の活動のお話をさせていただけたらと思います。

先に言ってしまうと
「ジェンダーにおける視覚表現の研究」
です。

現在クラウドファンディングにて再三名前を告げております新組織「NEWTYPES」の代表のわたしの名前は「ちひろ」といいます。
お会いしたことのない方だと女性だと思い込んでしまうかと思いますが、「ちひろ」という名の男です。ぼくは自分の名前が大好きで何年かに一度、両親にも恥ずかしながら「ちひろ」という名前をつけてくれたことに感謝してる旨を伝えることもあります。それくらい自分の名前が好き、という少しおかしな奴かもしれません。

近年、ジェンダーについて考えるようになった「あるキッカケ」がありました。それはクライアントワーク中にふと感じたある疑問が発端で、サイン計画でお手洗いのピクトグラムを考えている時でした。

三角形の上に小さな丸を配置して女性のピクトグラムを。そして逆三角形の上に小さな丸を配置し男性のピクトグラムを作成しました。そこでふとジェンダー問題のことが頭によぎり、ジェンダーに関するピクトグラムの表現を調べました。そこで見た例は、三角形と逆三角形を結合し、砂時計のようなカタチをしたものでした。

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私はこの事例を見たときにそれまで正直、ジェンダーについてあまり深く考えたこともなく、特別な意識を抱いているわけではありませんでしたが、ここで強烈な違和感を憶えました。
この違和感を憶えてからは、うまく言葉に表せない「何か」をずっと抱えるようになり、例えば以前であれば縦長の長方形と三角形とで男女を表していた表現が、適切なサインとして表現することができなくなるのではないかという思いに至りました。

様々な事例を調べると、三角形の角度を長方形の片側に融合したピクトグラムを発見しましたがこれは「妊婦さん」も連想してしまいかねないシルエットでもあるので最適解ではないだろうとまた違和感を憶えました。

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そしてそんな中、事例を見ていく中で下品だな、と思いスルーしたものを思い出しました。それが「凸・凹」で表していたサインです。この表現は下品ではありますがひとつ理にかなっているところを見つけました。それが「性器の違い」です。性が心と身体とで相違していても「性器」の違いだけにことを絞りこむことで、素直に分けられるのではないかということに気づきました。ただ、これはやはり、お手洗いのなかでも排泄をするという観点においてのいち答えに過ぎません。

現在ではよりオープンに多種多様な性の違いを論じることが出来てきていますが、このピクトグラムでの表現の仕方に正解はまだ見つかっていません。造形は同じくして、色で識別しているものは、赤・青にプラスしてレインボーが加わっています。しかし色弱の方々のことを配慮しますと色で分けるのはユニバーサルデザインではなく、これも最適解ではありません。
恐らく当分、ないしは永遠に見つからないかもしれません。
しかし、視覚伝達を生業としているぼくとしてはこの問題に目を背けることは出来ません。なので大変デリケートな事象ではありますが、このジェンダーに関する問題に何か解決提起をするべく、研究・発表をしていこうと決めた次第です。

長くなりましたが、ここでぼくの名前に立ち返ります。

ぼくは「ちひろ」というジェンダーレスな名前を持っています。
つまり性的指向とは別の話のジェンダー問題を生まれたその瞬間から抱えています。
ですが問題としてはごく小さくて自身の中で方が付く問題です。
性的指向は、身体的性と自分で認識している性が一致していて、かつ異性を愛するセクシュアリティをもつ、いわゆる「ストレート」、ここでは「ストレートアライ」と言い換えさせてください。

ジェンダー問題に関してぼくはまだまだ理解が及ばず、力不足かと思いますが、小さいながらもジェンダー問題を生まれた時から抱えている「ストレートアライ」だからこそ理解・出来ることがあるのではないか、と不躾ながら思っています。

そのようなことをこの「NEWTYPES」という組織で何か行動に移していこうと考えています。

再三伝えております「NEWTYPES」という組織の名は、

『新しい文字』
をみなさまにご提供していくことと同時に、

『新しい型』
を提供する組織でありたいと考えています。

型とは、
「外見に現れたカタチ」
の他に、
「相対的な特性によって区別される性質や形態」
「 習慣で決まっている形式」
と言う意味合いがあります。

このようなことを踏まえて「NEWTYPES」の設立に至りました。
非常にデリケートな議題ではありますが、今回どうしても話させていただけたらと思い、文章に書き起こしました。

「NEWTYPES」は親組織である「diotop」から独立した組織です。
そもそも「diotop」とは何かというと、
「biotop(動物や植物が恒常的に生活できるように造成または復元された小規模な生息空間)」という造語の頭文字を「b」から「d」に変えたモノです。
種族伴わず、多種多様な生き物にとって、より良い空間を提供していきたい、というコンセプトを持っています。
「d」には現在携わっている仕事の範疇の「デザイン」「ディレクション」の他に、
「ディベート」「デバッグ」「ディフェンス」「デトックス」という意味を込めています。デザイン組織ではなくクリエイティブ組織と謳っているのもこの背景があるからです。

このようなことを大きくは考えています。
ご賛同いただける方や企業さまに少しでも知っていただけると幸いです。

引き続きご支援のほど、
よろしくお願いいたします。

最後に

ぼくはなぜ自分の名前が好きなのかという理由をもうひとつ。
ぼくには「ちい」や「ちいくん」「ちいちゃん」というあだ名があります。
ぼくをあだ名で呼んでくれるとき、そのひとの口角がほんの一瞬だけど上がっています。
親しく名前を呼んでくれるそんな友達を、ぼくも笑顔にしたい。
そう思っています。


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