見出し画像

休職期間終了。金がないから復帰します。

オフィスの真ん中で怒鳴られて、泣いてしまったあの日から1年が経とうとしている。

医者に「お金がないから早く復帰したい」と無理を言って、就労可の診断書を書いてもらった。上司にはすぐに連絡した。来週には復帰したい。
とにかく、お金がない。

薄給の割にはお金を貯めていたと思うが、結婚、引っ越し、新婚旅行・・・
人生の駒を進めるのに、お金がい~っぱいかかった。
お金をかけた事に後悔はない。楽しかったし。
世の中には「男の方が多く」みたいなお金の価値観もあるが、あたしはそれがあんまり好きじゃない。好きな人とはできるだけ平等でいたい。そう思って、雀の涙ほどの傷病手当金しか入らない預金口座には頑張ってもらっていたが、もう限界だ。

夫に借りているお金+未納の税金+これからかかる弁護士の着手金を足すとマイナスになる。
ね、やばいでしょ?笑えねぇ。

勉強するって決めたあの日は、1年あればさすがに資格も取れるし、貯金はなくても得るものがあるだろう、そう思ってたよね。
てか、1年あればうつ病が治るとも思ってたよね。

全部、違ったっぽい。

あたしね、去年の5月の終わりにプロポーズしたの。
結婚の話はトントン拍子で進んで、6月の半ばに彼の家に挨拶に伺った。
その次の週に、怒鳴られて、会社に行けなくなっちゃった。
8月、一緒に住んですぐは会社からテレワークの配慮も受けたけど、いやがらせみたいなメールも来て、パソコンも開けなくなっちゃって休職。
それでも彼は籍を入れてくれて、働いていないことも、1日中泣いていることも、責めずに一緒に住んでくれている。

親には働かないことを責められもしたけれど、あたしの精神状態をちゃんと説明したら、ゆっくり待ってくれることになった。辛いときはいつも話を聞いてくれた。勉強も応援してくれていた。
弁護士費用の着手金は親に貸してもらうことにした。電話をかけた。快く貸してくれるのは分かっていた。
「10年前の高校のいじめを許せんのよね。じゃけん未来の自分のために、どうしても弁護士にお願いしたいんよね・・・」
「いいんじゃない。お金のことは気にせんでええし、返すのはいつでもええけん」
この歳でお金を借りることが情けなくて、親が優しくしてくれるのが辛くて泣いた。

友達も優しかった。
休職したての頃は平日休みの友達と目いっぱい遊んだ。
でも途中から働いている友達と、働くことを忘れた自分とのギャップがしんどくなった。人と会うのが怖くなった。美容院ですら怖い。
友達のことは大好きだし、友達も笑って過ごしていてくれる。
それなのに一緒に遊んだ後に「自分のせいで楽しくなかったのではないか」と悩んで眠れない日もあった。1か月引きずることもあった。普段の自分内プチ反省会とは、規模が違った。

誰かに優しくされるたびに
「あたしがこの人を不幸にしている原因なのに」
と思って泣いてしまう。
あたしがいなければ、みんな幸せになるんじゃないか・・・と思って落っこちそうになったこともある。
でも絶対そんなことないよね。みんな優しいし。
分かってんの。みんな、葬式で泣いてくれるって。
だからまだ生きよう、生きようって必死に耐えている。

20代後半、10年前のいじめを許せず、会社から見ればしょうもない事で弁護士に相談に行く。夫に金を借りる。親に金を借りる。友達とも話せなくなる。睡眠薬なしでは眠れない日も多い。
こんな大人になりたかったわけじゃない。

でも働かないと、金がないから。
風俗より楽じゃん、パソコン触るだけだしさ、座ってたら金出るしさ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?