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「ライブハウスで会おうぜ」をライブハウスで聴く日まで

 今回は最近よく聴いている音楽の話です。ハンブレッダーズというバンドの「ライブハウスで会おうぜ」がとても良い曲で、たくさん聴いています。

昨今の状況で「空間を共有すること」の意味を改めて考えることが多くなり、音楽を通してこのことを考え直すきっかけになりました。ヘッダーはMVの画面をキャプチャしてパワポでトレースした絵です。

 (せっかくなので今この記事を開いている時点で音楽が聴ける環境の方はこのMVをぜひ観てくださいね。)

 ライブに行って、好きなバンドが目の前でギターを鳴らして、鳥肌が立ってなぜか涙が出たことがありました。こういう「経験」は、理由を自分でも説明するのが難しかったりします。皆さんにもこんな経験がある人は少なくないと思います。音楽に限ったことではないはずです。

 色々なところでライブが延期や中止になり、ライブハウスでライブを聴けなくなって、ファンもアーティストもつらい思いをしている人がたくさんいると思います。「ライブハウスで会おうぜ」はそのようななかで今年の4月に発表された曲のようです。私は最近まで知りませんでしたが、少し遅れてもこの曲に出会えて良かったです。

 この曲は、私にはとても前向きに響きます。それが2年後でも3年後でも、もっと先でも、彼らの音楽をライブハウスで聴いて、鳥肌が立って涙を浮かべる未来が見えるように感じます。

 いつか、「ライブハウスで会おうぜ」をライブハウスで聴きたいです。それまではイヤフォンで聴いて応援しています。ハンブレッダーズのファンなら、「ヘッドフォン」を買った方がいいかもしれません(理由はこの曲を聴いて確かめてください)。この曲は配信限定ですが、アルバムのCDも買ってみました。CDを買うのは、ダウンロードとはまた違った喜びがありますよね。「ユースレスマシン」というアルバムの初回限定版についているボーカルのムツムロさんのエッセイ集も、とても良かったです。

 それと、彼らがYouTubeで「ハンブレッダーズの見るラジオ」というのをやっているのですが、とても楽しいです。仲良く楽しそうに、のんびりと話しているのですが、心が和みます。

 ハンブレッダーズのボーカルのムツムロさんの歌詞からも伝わるように、私たちがライブで感じる感動は、「みんなが一つになった」というような一体感だけではなく(そう感じる人にとってはそれで良いと思います)、その場のそれぞれが、「ひとり」として感じるものだと思います。

 ここで無理やり(笑)地理の話をしますが、地理学では人間の主体性を大切にして、人間の世界のとらえ方から空間などを考える分野もあります。人文主義地理学や、認知・行動地理学などです。「空間(space)」が誰かにとって意味付けされて「場所(space)」になるという議論もあります。

 音楽を聴くこと、そのためにどこかに集まることを、単に趣味だからと切り捨てることはできません。その空間に集まる人、その空間を作る人たちにとって、ライブハウスは意味のある「場所」になっているといえます。空間の共有の仕方はさまざまなですが、「そこにあること」、「そこであること」、「ともにそこにあること(ライブであること)」の意味を考えるうえで、音楽は重要な視点を提供しているなあと感じました。

 ということで、皆さんも、自分が大切にしているもの、大切にしていることを大切にしてください。そして、どうしたら大切にしているものがずっとそこにあり続けることができるのか、考えてみていただけたら嬉しいです。

 最後に、押し付けはしませんが「ライブハウスで会おうぜ」はとてもとてもいい曲ですので、ぜひ一度、いや二度、できればたくさん、聴いてみてくださいね。

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 余談ですが、パワポでトレース、楽しいです。

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