さよならからはじまりへ/平瀬美里(ロッカジャポニカ)

主現場が終わる(無期限活動休止&メンバー全員卒業)まであと4日になったらしい。
「らしい」というくらいぼんやりした気持ちもあるし、ここ2週間くらいがかなり充実していてかなりのやりきった感もあって、なんだか変にフワフワした気分だ。

「この箱で観るのも最後か」とか「このグループと対バン被るのも最後か」など「最後」を実感させられる出来事もかなりあった。
今まで何度かグループの終わりに立ち会ったことがあるが、ラストライブ直前にここまでイベントを詰め込まれているのは初めてなので、全て終わってイベントが何も無くなってからの反動が今から怖い。

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あなたは「ロッカジャポニカ」というアイドルグループをご存知だろうか。
このグループも私が終わりに立ち会ったグループのひとつで、ちょうど平成の終わりである2019年4月末に終了した。

今回紹介する『さよならからはじまりへ』はそのロッカジャポニカの推し、平瀬美里さんのソロ曲である。
ベイビーレイズJAPAN(2018年解散)が大好きだった彼女のたっての希望で『夜明けBrand New Days』の提供者である堀江晶太氏に依頼した曲で、分かる人が聴けばなるほどベビレっぽい、となると思う。
フル尺の公式動画がないのでここではYouTube Musicのリンクを載せておく(各種サブスクでも視聴可能)。

とにかく歌詞がいいのでひとつひとつ追っていきたい。

夕焼け前 白いひかり
懐かしくて 優しい日
そっと風が吹いていた
さよならから はじまりへ

わたしは今 歩き出す
切なさもね 連れて行こう
わたしだけに見えた
かすかな 未来

1A

彼女が所属していた「3B junior」というアイドルグループの代表曲『勇気のシルエット』の「始発が出る前の朝焼けが 誰もいないホームを照らす」という歌い出しが頭をよぎった。
この「夕焼け」があのときの「朝焼け」にみえて懐かしい、という風に私は解釈した。

「切なさ」という一見ネガティブな感情も連れて未来へ歩みを進めようとする歌詞、あまりにも眩しすぎて聴いていると苦しくなる。

やっと分かりかけた この心
伝えたいんだよ
涙も 愛しさも
全部 歌うのさ

1B

心を伝える手段が「歌う」なのが本当にアイドルでいい。そしてここでも「涙」というマイナスにもなりかねない要素を前向きにとらえている。

そしてまた 夜が明ける
わたしも行かなきゃ
ありがとう またいつか
夢見ても いいよね?
そして続く わたしのストーリー
「あなた」に出逢う 長い旅
思い出を超えてゆく
またね
またね

1サビ

ここで「夜が明ける」のがとてもいい…
さっきの「朝焼け」もそうだし、ベビレの『夜明け〜』のこともすごく意識させられるというか。
そこに「わたしも行かなきゃ」とか「ありがとう またいつか」とか言われたら普通に泣けてしまう。

「思い出を超えてゆく」という歌詞の力強さにただひれ伏すしかない。
私は結構懐古厨というか、10年以上アイドルヲタクをやってきてしまったので、折に触れては昔のことを懐かしんでしまうのだが、それでも常に今が一番楽しいと思えているので、思い出を超えてきているのかもしれない(?)

本当の気持ちはね
言葉だけじゃ 足りないや
振り返らずに 去った先
ただ 幸せ 祈ってるよ

2A

アイドルとヲタクの終わり方って全部これがいいなと思ってしまう。
双方の幸せを祈り合っていたいな、と。
少なくともヲタクの側は祈っています。
祈るくらいしかできないし。

暗闇 踏みしめ 歩き出す
迷わないように
ちゃんと 胸を張って 今を
愛せるように

2A'

…自分はこんな生き方は出来てないな〜と思ってしまうけど、いつか胸を張って今を愛せる人になりたいと思わせてくれる歌詞。

きっと
わたしじゃなきゃ救えない 明日がある
信じてみたいよ そんな奇跡を

2B

これってめちゃくちゃアイドルですよね…
「わたし」(アイドル)にしか救えない心ってめちゃくちゃあって、私(ヲタク)自身アイドルに救われて明かした夜が何度もある。
それって本当に奇跡なんだけど、そういう意味でアイドルは奇跡を起こしまくってると思う。

そしてまた 夜が明ける
わたしも行かなきゃ
ありがとう またいつか
夢の その先で
そして続く わたしのストーリー
「あなた」に歌う長い旅
「これから」が呼んでいる
またね
またね

2サビ

夢のその先で、とか「これから」が呼んでいる、とかすごく未来を感じる歌詞で眩しい。
現在の推しがこれからどうなっていくかはまだ分からないが、すぐじゃなくていいので「またいつか」会いたい。

なんにも知らなかった
からっぽのわたしに
消えない かがやきを
教えてくれたよ
ありがとう またいつか
ずっとずっと 忘れない

Dメロ

ここめっちゃベビレの『夜明け〜』の「何でもない世界だって 君といればshining days」とリンクしているし「どんなに遠くなって霞んだって忘れないよ」だなあ…と思っている。
歌詞ではないがイエッタイガーが入るのもかなり激アツポイント。

そしてまた 夜が明ける
わたしも行かなきゃ
ありがとう またいつか
笑い合う その日まで
そして続く わたしのストーリー
「あなた」と繋ぐ 長い旅
さよならもきっと はじまりさ
思い出を超えてゆく
またね またね

またね

ラスサビ

グループが終わっても、推しも私もそれぞれの人生を歩んでいくことに変わりはない。
「またいつか 笑い合う その日」を楽しみに、前に進んでいくしかない。
「さよならもきっとはじまりさ」という言葉を胸に、ちゃんと推しに「またね」を言いたい。

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