21.おとぎ話

昨日は中秋の名月だった。
これくらいの時期の満月のことを中秋の名月と呼ぶのかと思っていたが、そうではないらしい。少し調べたら「太陰太陽暦の8月15日」が中秋の名月の定義らしく、たまたま2年連続満月の日が重なったらしい。

推しも昨日、中秋の名月についてツイートをしていた。たまたまその時間帯にスマホを見ておらず、私がそのツイートに気づいてから空を見たとき、月は雲に隠れていた。少し損した気分だった。

しばらくしてからまた空を見たら、今度は綺麗な満月を見ることができた。
ふと、竹取物語(要するにかぐや姫)が頭に浮かんだ。
おじいさんが竹の中に女の子を見つけておばあさんと共に育て、大きくなったかぐや姫は月に帰ってしまう───という有名なおとぎ話だ。
ふと、アイドルもかぐや姫みたいだと思った。
ヲタクとは違う世界に住むはずの人種が同じ空間で過ごす時間があるなんて、もはやおとぎ話レベルだ。そりゃいつかは月に帰る(=卒業する)ときが来るのも納得だ。
中学・高校時代の私は古典の授業が割と好きで竹取物語も教科書に載っていない部分も本を買って読んでいたことを思い出した。捨てた覚えがないので本棚を探したら、そのときの本がまだあったので今度ちゃんと読み返そう。

美しいかぐや姫に5人の貴公子が求婚するが、無理難題を押し付けて跳ね除け、帝ですらなかなか姿を見ることができない。それでも帝の熱意に押され、帝とかぐや姫は文通して心を通わせるようになるが、かぐや姫は月に帰ってしまう。去り際にかぐや姫は帝に手紙と不死の薬を形見として残していくが、帝は「もう二度とかぐや姫に逢えないのなら生きている意味がない」と、使いの者に命じて手紙と不死の薬を一番天に近い山の頂上で焼かせた。その煙は今も天に向かって立ち上っているという。

竹取物語のざっくりとした要約


私は別に帝ではないが、もし推しメンが去り際に不死の薬を置いていっても飲まないだろうな、と思った。



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