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公共のもの

一人の男性がベンチの近くで周囲を見渡したかと思うと、先程飲み終えた空き缶をそっとベンチの影に置いた。

バツを悪そうにしながらその場から離れていく。

この駅の構内にはゴミ箱がない。

ついこの間から「ゴミ箱」が撤去されたのだ。

思い返せばそうなるのも頷ける。

明らかに家庭から持ち込んだゴミ。

また、そのゴミ箱の中を漁る人。

各々の生活のあり方があるのかもしれないが、こうした本人たちにとっては些細な行動の積み重ねが、ゴミ箱を撤去させたのだろう。

本当に必要な人のところになく、
本当に必要な人を、こうした形で小さな悪人にする。

公共のものとはなんであろう。
日々の便利のなかには、色んな人たちの善意があって成り立つことが多くある。

あって当たり前。
便利な世の中が普通。
そう考えさせるのが、便利の目的でもあったかもしれない。
でも、なぜ成り立っているのかを忘れていけない。

美味しいご飯を食べます。