卓球部の謎論理に馴染めなかった

中学校3年間は卓球部だった。3年間でやめた。

そして燃え尽きる程の取り組みはせず、真剣にやるほどの意味も見出せずに終わった。それはきっと卓球のしきたりや慣習に、私が馴染めなかったからだと思う。

どのスポーツにも不思議なしきたりはあると思うが、私が受け入れられなかった卓球のしきたりについて書く。

ピンポン球が飛んでいくと取りにいかないといけない

卓球は、スマッシュを打つと相手コートの後方遥か彼方に転がっていく。そのために仕切りもあるが、仕切りを飛び越えて転がることもザラにある。

大会でピンポン球が飛んでいくと、是が非でも探さないといけない。それは、1台につき1個しかスリースター(大会公式球)が充てられていないので、失くしてはいけないからだ。しかし、体育館の中では何台も卓球台が並んでいるので、人をかき分けて探さないといけなくなるので、面倒だった。

私の中学の顧問は、「相手が飛ばした球も、自分が飛ばした球も、探しに行きなさい」と言っていた。自分が飛ばした球を相手に探させるのはなんだか申し訳ない理屈はわかるのだが、自分が打った球を自分で取りに行くのはなんとも滑稽に思えた。それにテニスの場合はボールボーイがいることと比べてしまうと、卓球は試合以外の所で気を張らないといけない面倒な競技だと思えた。

国際大会でも、選手が球を取りに行っている所を見ると、卓球界の常識なのだろうが、試合をするはずが球拾いをする感覚の方が強くなって、私には馴染まなかった。なお、国際大会では自分が飛ばした球は相手が取りに行っていた。グローバルスタンダードでは自分が飛ばした球を自分で取りに行くことはしないのだろう。

謎の掛け声を出す

福原愛が「さー!」と叫ぶことが一時話題になったが、卓球をやる人間は聞き取れない叫び声を挙げる。それも頻度がおかしい。ポイントを取るたびに「よー!よー!」「トゥオゥ!!」「☆※◎~!!!」みたいな声を出すが、ポイントを取った後に叫んでどうする。ハンマー投げのように声を出して記録が伸びるならまだしも、ポイントを取るたびに雄たけびを挙げ続けるのは、私には気持ち悪く思えた。試合の要所で叫ぶのならわかるのだが、泳ぎ続けないと死ぬマグロのように、叫び続けないと死ぬような連中がこの界隈には多すぎる。

エッジボール・ネットインで相手に謝る

打った球が相手コートの端に当たってポイントになることがある。また、ネットに球が当たり、軌道が変わるも相手のコートに落ちてポイントになることがある。それらはほとんど偶然だ。それも実力のうちだと私は思っているのだが、卓球ではそれらが起こると相手に謝らないといけない。国際大会では手を挙げているが、それがマナーとされている。

明確な反則と規定せず、マナーを持ち出すあたり騎士道精神を重んじる紳士のスポーツでありたいのだろうが(じゃあ野蛮に叫びまくるのは紳士じゃなくね?)、たとえ相手に謝っても得点は得点だ。うれしいのに形だけ謝る動作は、いやらしく見える。

最後にフォロー

私の気に入らない面を挙げたが、そういった面さえ受け入れたら卓球はおもしろい競技だと思う。フォア打ちが綺麗にできて、何球でも狙った場所に打てるになったとき、ツッツキに対してループドライブをかけられるようになったとき、フリック速攻に成功したときには、おそらく卓球でしか得られない感動があった。卓球愛好者でこの記事を読んで気分を害された方がいたら、申し訳ないとは思うが私自身は卓球は好きだ。

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