世の中のはかなきことを思ひけるをりに、菊の花を見てよめる
つらゆき
秋の菊匂ふかぎりはかざしてむ花よりさきとしらぬわが身を
この世の中がはかないことを思い悩んだ時に、菊の花を見て詠んだ歌
紀貫之
秋の菊の花が香っている間は髪に挿しておこう、花よりも先に枯れてしまうかもしれないことに気が付いていない我が身を思って
菊は不老長寿の象徴です。自分の身はこの世を去るのがそう遠くないことを感じて、菊の花もはかなく感じたり、それでも少しは慰めになるかと思ったりしているようです。
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