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第3回:「つみたてNISA」は株式100%型の商品を選べ!

初心者の方でも失敗しない「つみたてNISA」の銘柄選びのポイント第2弾。

前回の記事はコチラ↓↓↓↓↓

今回は「株式100%型の商品を選ぶ」です。その理由は、株式「つみたてNISA」の税制優遇を最も生かせるからです。

①「株式100%型」と「複合資産型」

「つみたてNISA」では、金融庁が指定する約200本の投資信託商品(銘柄)の中から投資先を選びます。

その商品は、大別すると「株式100%型」「複合資産型」の2つのタイプがあります。「株式100%型」とは、その名の通り、私たち個人投資家から集めた資金をすべて「株式」に投資する投資信託です。

一方、「複合資産型」とは、「株式」「債券」「リート」(不動産)といった様々な資産を組み合わせた投資信託のことです。「バランス型」とも呼ばれます。

ちなみに、2021年12月月16日時点での内訳は「株式100%型」が111本、「複合資産型」が90本となっています。

「債券」は、株の価格変動で損失を被るリスクがある株式に比べて低リスクであるため、一般的には初心者の投資には「債券」が適していると言われます。

「債券」はその発行体が借金を返せない「債務不履行」に陥りさえしなければ、購入した時点で、満期償還時点ではトータルで利益が発生することが実質的に確定するからです。

しかも、日本における債券の発行体は信用力が高い団体がほとんどであるため、発行体が債務不履行に陥るリスクは低いとされます。

しかし、リスクが低いということは、当然、リターン(金利収入)も低いということになります。

さて、投資信託に話を戻すと、リスクを抑えた安定運用を望む方は、債券も組み入れた「複合資産型」を選び、反対に、リスクを取ってでもハイリターンを狙う方は「株式100%型」を選びましょう、というのが一般的な説明です。

しかし、債券のリターンは、銀行に定期積立をしているのと大きな差が生まれないということは知っておくべきです。これでは「つみたてNISA」の非課税メリットが活かせないといえます。

「つみたてNISA」の最大のメリットは、20年間の投資運用利益が非課税になるという点です。

普通は株や投資信託で運用して利益が出ると、その利益に対して約20%の税金が取られてしまいます。例えば、100万円の利益が出たとすると、そのうちの約20万円が税金として取られてしまうわけです。

しかし、「つみたてNISA」は、その税金がかからない制度なので、100万円の利益がそのまま手元に残ります。

この「つみたてNISA」の税制優遇を最大限に生かすためには、当然、最も利益が期待できる商品を選ぶべきです。そして、それが100%株式の商品です。

②株価は200年間で60万倍に成長している!

このことを理解するためには、次のグラフが大変参考になります。

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これは、これはインデックス投資の理論的支柱として世界的な権威を誇るジェレミー・シーゲル教授(米ペンシルベニア大学経営大学院)が出している『株式投資の未来』という本に掲載されているグラフです。

米国の「株式」「長期国債」「短期国債」「金(ゴールド)」「現金」の5種類の資産を比較対象として、1800年から2000年までの200年間で、それぞれの資産価値がどのように推移したかを表してくれています。

年月が経つと物価は上昇していくので、モノに対する資産の相対的な価値というのは下がっていきます。このグラフはそうしたインフレの影響を加味した、実質的なトータルリターンを表したものになっています。

1800年での価値を1ドルとした場合、「現金」2000年になると0.07ドルになっています。これは、インフレで物価が上がったことで現金の価値が相対的に下がったということを意味しています。つまり、資産運用を一切せずに「現金」を持っているだけだと、インフレで価値がどんどん下がっていってしまうのです。恐ろしいですね。

このグラフで一番注目してもらいたいのは「株式」の推移です。1800年に1ドルだった株式は2000年には60万ドルにまで成長しています。60万倍です。株式が他の資産と比べて、圧倒的に高いリターンを叩き出していることがわかります。

株式に次いでリターンが高い「長期国債」でも、200年運用してやっと1000ドルになった程度です。「長期国債」と「株式」ではリターンに600倍もの差が生まれています。

これは200年という超長期のデータなので極端な結果になっているということもあるのですが、このリターンを年率に直すと株式は6.5%、長期国債は1.8%、短期国債は1.0%です。株式は200年間という長い期間の中でも、年率6.5%で一貫して右肩上がりの成長を続けてきたということです。

10年に1度くらいの頻度で暴落することはありますが、それでも暴落以上の回復を見せて最終的には暴落前の高値を越えて、右肩上がりに成長していっているのが「株式」なのです。

③株価の暴落は逆にチャンス!

しかも、「つみたてNISA」は、定期的に一定の金額の買い付けを行うことによって、価格が安いときは多く、価格が高いときは少なく買うことになる「ドル・コスト平均法」の仕組みが取り入れられています。だから、株価が暴落したときには同じ投資金額でもこれまで以上に多くの口数を購入することになります。

今後もどこかのタイミングで暴落が訪れるでしょうが、ジェレミー・シーゲル教授のグラフが証明するように、株式は暴落しても必ず数年で暴落前の価格を回復し、成長を続けています。

ということは、暴落時にこそ、怖がらずに投資を継続できた人が大きな利益を得られるのです。「ドル・コスト平均法」によって、暴落時に自動的に多くの口数を購入しているからです。

あとは次の値上がりに備えて待つだけです。だから、20年間など長い時間軸で考えるのであれば、「つみたてNISA」の非課税メリットを最大限に活かせる100%株式の商品を買うべきだという結論になります。

逆に言えば、債権などの株式以外の資産が含まれていると「つみたてNISA」の非課税メリットが薄れてしまうことになってしまします。

④債権を保有するなら課税口座で!

ここまで説明しても、中には、100%株式だとちょっと怖いから「債権」にも投資したいという方もいると思います。気持ちはわかります。

たしかに、「債券」は株式とは逆の値動きをする傾向があることから(株式が下落する場面では債券が上昇、株式が上昇する場面では債券が下落)、株価暴落時のクッションとしては有効です。

「債券」を持つこと自体は全く問題ありませんが、リターンが小さい「債券」は「つみたてNISA」で投資するのではなく、特定口座の方で持つのがよいでしょう。

リターンが小さいということは、利益に対して支払う税金もそれほど大きくならないということでもあります。それなら課税口座で持つべきといえます。リターンの小さい商品だと、非課税メリットを最大限に活かせません。

資産クラスごとの特徴に合わせて、どの口座で何を保有するのかを決めていくと、資産全体での課税を最小限に抑えることができます。もし債券を持ちたい場合は、特定口座の方で持つことを検討してみてください。


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