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人的ネットワークの継承 ~ソーシャルキャピタルの観点から~

どもども。青木です。

先日シェアした人的ネットワークの継承術、ですがどうもハウツーに終始しておりあまりしっくりこなかったので学術的な考え方を紹介していこうと思います。
https://note.com/chinmu_/n/n8b3c2eaf029e

いわゆるコミュニティの強さ的なものは”ソーシャルキャピタル(社会関係資本)”という概念で表されます。ソーシャルキャピタルはロバート・パットナムが1993年に表した概念です。

人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴

信頼:信頼は取引コストを下げることに繋がります。「この人は最後まで仕事をやってくれるだろうか…」とか考えなくて済む感じですね。面白いのは、信頼について「知っている人に対する厚い信頼(親密な社会的ネットワークの資産)」と「知らない人に対する薄い信頼(地域における他のメンバーに対する一般的な信頼)」を区別しており、「薄い信頼」の方がより広い協調行動を促進することに繋がるため、ソーシャルキャピタルの形成に役立つとされています。信頼があると自発的な協力が生み出され、自発的な協力がまた信頼を育てるとされています。

規範:
 規範は主に互酬性(お互いに価値を交換し合うこと)があることを指します。この互酬性はお互いに同時に交換されることと、いまいまはgiveをした関係でも将来的にその相手からgiveされることも指します。互酬的なgiveが数多くやり取りされると相手のためになるように、ということと、長期的に当事者全員のためになる、ということが両立します。

ネットワーク:
ネットワークには職場内の上司と部下の関係などの垂直的なネットワークと協同組合などの水平的なネットワークがあります。パットナムは垂直的なネットワークがどんなに密でも社会的信頼や協力を維持することはできないが、水平的ネットワークが密になるほどその構成員が相互利益に向けて幅広く協力すると考えています。いわゆる"弱い紐帯"というやつですね。

さて、その中でソーシャルキャピタルの分類があり、結合型・橋渡し型に分かれます。結合型は組織内部の人と人との結びつきで信頼や協力、結束を生むもの。橋渡し型は異なる組織間における異質な人や組織を結びつけるネットワークを指します。この分類は一つの組織に同時に起こるもので、それぞれの配分が組織の正確によって違う、というものです。

こういった特徴を持つ社会的な行動を"資産(capital)"として捉えようというのがソーシャルキャピタルという考え方です。実態のコミュニティ運営においてはコミュニティという概念の下位分類として意識した計画を立てていくのが良いでしょう。この資産を見える化することが人的ネットワークの継承に重要な要素です。

コミュニティは中央集権的ネットワークと自律分散的ネットワークが共存しています。中央集権的ネットワークの中心にいるのがコミュニティのコアメンバー、フィクサーなどと言われる人達です。この人たちがどんな人と繋がり、繋がっている人たちはコアメンバーに何を期待しているかを明らかにし、他のコミュニティ運営チームがコアメンバーに近い動きをしていくことでコアメンバーを増やしていくこと。そして分散された先でも中央集権的ネットワークを複数作っていくことが、コミュニティにおける人的ネットワークの継承の概念的説明となるでしょう。

ということで今回は抽象度が高いお話しとなりました。
なかなか難しいかもしれませんがソーシャルキャピタルでググるといろいろ出てくるので調べてみてください。

※本記事はこちらのレポートを引用・参考にしています。


二年前くらいに学習したものでした。抽象度が高いものは日頃振り返らないと忘れたままアクションしてしまいがちですね…。勉強し直そう。

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