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米国シェアスペースレポート -ポストコロナのオフィス事情-

どもども。青木です。

Coworking Resourcesというサイトがあり、2020年以後のコワーキングを含めたシェアスペース市場についてコラムが掲載されていました。これは大変有用な記事だと感じたので日本語訳を掲載します。英語得意なわけではないので英語読める方は原文からどうぞ。

何が面白いのか

Postコロナの洞察にリアリティがありました。
例えば
・大規模なオフィスを借りていることがリスクと考えられ、フレキシブル(自由)なオフィスの賃貸契約が結べることが借りる側の強いニーズとなる
・働く人達にとってオフィスでも自宅でもない場所で働くという選択肢が生まれる
・フレキシブルな賃貸契約を結べる状況ではコミュニティ形成を行えることで利益を伸ばすポイントになる(離脱率の低下、少数多社の入居によりシナジーが生まれやすくなるため)
といった点です。

それではいってみましょう!

1. コワーキング市場の概観と変化

LAを中心にコワーキングスペースを展開しているBLANK SPACESのJerome Changによるとコワーキングスペースは商業用オフィス市場の2~3%を占めるといいます。調査会社のJLLはコワーキングスペースの市場は2030年までに30%にまで伸びるという調査結果を出しました。また、Changは2030年までではなく、5年以内に達成可能なゴールだとしています。というのも、今テナントとして入居しているオフィスが契約を更新しなかったり、より小さなオフィスに借り換えたりすることでシェアオフィス需要が伸びると考えられるからです。

Everything Coworkingの設立者でGlobal Workspace AssociationのJamie Russoは「コワーキング市場のうち、サービスが行き届いたスペース(※managed space、service spaceと呼ばれる)が30%以上を占めることはありませんでした。しかし、より柔軟なリース条件(5~10年のリースの代わりに1~3年)や家具つきの、すぐに仕事ができる状況を整えることによって促進されます。その傾向はおそらくパンデミックによって大幅に加速されるでしょう。」

これからのコワーキングは下図のようになっていくと考えられます。
これまでは大きなビルの中の小さなスペースをコワーキングとしていたのに対して、これからはビル全体が自由度高くリースされることと、”コワーキングっぽさ”が取り入れられるでしょう。

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コワーキングは不動産に対して自由度をもたらし、付加価値を高め、プレミアムなスペースをテナントに提供することで利益をつくります。Changは業界の移り変わりの中で、入居者は付加価値や種類に富んだサービスを喜ぶことを見出しました。ここでいう付加価値というのは、アメニティであったり、入居者が利用可能なキッチンだったり、ドリンクバーや、有名なコーヒーショップや、レストランだったりします。これらはブランドを知覚させ、コミュニティや入居者にとってのカルチャーとなっていき、コワーキングの雰囲気を作り上げるのです。

2020年は世界中でコワーキングが“次世代の不動産”として大きな上向き傾向になるチャンスが発生しました。我々の"Smart Building Index"にてじせだいのコワーキングビルに触れています。これを現実のものにするためにはコワーキングがフリーランサーやスモールビジネス、スタートアップ向けという安全地帯から抜け出す必要があります。もしまだリーチしていないのであれば、次に注力すべきキーマンは次の3者です。

・大企業
・スーパーフレックスメンバー(時間貸りがメインの超ライトユーザー)
・積極的なオーナー

これらの新しいタイプのコワーキングの入居者はコワーキングに対する新たな需要を下図のようにする可能性があります。

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将来のコワーキングの需要について:(左下図)危機前のコワーキングの中心ユーザーはフリーランス、スモールビジネス、スタートアップ。(右図)危機後のコワーキングはスーパーフレックス、バーチャル、イベント参加、そして大企業がマーケットを押し広げていきます。(スライドはこちら)

キーマンについてもう少し詳しく見てみましょう。

大企業のメンバー

大企業のメンバーはコワーキングに対して自由な契約を求めています。コワーキングのサービスやアメニティに対して独立してアクセスができることを望みます。大企業向けコワーキングの需要はコワーキングに対して彼らの基本的なニーズを満たすことと、コミュニティへのアクセスを提供することです。

Russoは大企業のコワーキング需要が指数関数的に伸びることを示しています。「我々は転換点をずっと待っていた。パンデミックはその需要を推進するだろう。世界中で在宅ワークを行っている経験はあらゆるものを変える。大企業の本部はもう二度と満員になることはない。世界中のサラリーマンが自宅をオフィスにすることができ、そこで仕事ができることを証明してしまった。」

スーパーフレックスメンバー(時間貸りが中心の超ライトユーザー)

職場と家を自由に使い分けたい子育て世代やフリーランスはスーパーフレックスのカテゴリーに分けられる。これらのユーザーは必要に応じて時間単位で借りられる、自由が利く場所を探している。これらの入居者はオンラインコミュニティや郵便サービス、ネットワーキングなどの会員向けサービスを望んでいます。

Russoの予想によると、働く人達の行動に3つの変化が訪れるとしており、それが会社の規則にも影響するとしています。

1. 働く人達はいつ、どこで仕事をするか選ぶ権利があると感じるようになる。以前は家で仕事をするということは楽だ、という以上の理由はなかったが、今では議論の余地がでてきたこと。

2. 働く人達は家で仕事が『できるようになる』ものの、オフィスで働く、家で仕事をする以外の自由な選択肢を選ぶようになります。ルームメイトやペット、小さな子どもがいる家庭などではオフィスと家とのバランスを取って彼らが安心できる場所で仕事をするようになること。

3.我々はチームメンバーとオンラインで仕事ができるようになったと証明しました。一方でZoomで一日中繋がれていることがいかに疲れることなのかも経験しています。私達は一つの画面から2つの全く異なる相互作用を受け取っているのですが、これは働く人達にとって「職場」という価値を変える体験です。働く人達は“安心”が保証された解決策をさがしている。これまでひらめきをもたらしてくれていたコーヒーを取りに行くまでの散歩道は、UPSの配達員に犬が吠えていたり、3歳児が脚に登ってくる状況では生まれそうにありません。

積極的なオーナー

地主はポストコロナの情勢におびえているだろうか?短い期間で、より自由で、しっかりしたサービスがある不動産を持っていることが彼ら固有の正しいポートフォリオになってくれます。

Russoはオーナーに立って、フレキシブルオフィスへの需要は供給を追い抜くと考えています。入居者の需要は、貸主がフレキシブルに借りられる短期間でのプランを加えることを強く後押しするでしょう。

積極的な地主たちは垂直統合(※Future Coworking Building図だと思われる)を進めたり、コワーキングやサービスオフィスのブランドを高めるための仕込みを行ったりして優位性を築くと考えられます。

しかし、商用不動産市場はとても脆い市場です。多くのオーナーがマーケティング施策、スタッフの採用、月額会員のケアを面倒なものだと感じています。

今はコワーキングの責任者がオーナーにアプローチするのにベストなタイミングです。きっとスペースを利用者で埋めるのに力をかしてくれるでしょう。積極的なオーナーにとっては地域コミュニティやコワーキングのモデルを取り入れることは利益を伸ばすことに繋がります。コミュニティをサービスオフィスに取り込むことでビジネスの幅は極めて大きくなるといえます。

「オフィス運営者とオーナーは自分たちの存在意義を再度考え直した方がいい。ターゲットは誰か?どんなプロダクトやサービスを提供できるのか?それらの値段はいくらになるか?数々の施策はどんな意味を持つのか?市場に受け入れられるかどうか?施策の結果どんなレバレッジが利きそうか?どんなパートナーシップが考えられるか?どうやってリスクを減らすか?継続性をどのようにもたせるか?」これらの問いがコワーキングにとってもチャンスになるのです。

多くの産業では人々がオフィスに戻るようになると信じています。最初のうちはオーナーも運営者も動揺しているのでフレキシブルオフィスの供給は需要に追いつかないものになるでしょう。


Bernhard Mehl
Bernhard is the co-founder and CEO of Kisi. His security philosophy  "Security is awesome" is contagious among tech enabled companies.
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図書館で借りてきた本についてシェアしているのでもしサポートいただけたらちゃんと買わせていただきます。(学術書はいいお値段するんです)

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コワーキングスペース向けのCRMを開発してます。人の脳の関係で一度につながっていられる人の限界が150人程度だそうです。俺たちで人類の限界を超えてもっと繋がれる世界にしような。株式会社funky jump CEO

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