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ヨーロッパのフレキシブルワークスペース事情(渡航前編)

ヨーロッパのワークスペース事情について事前に青木が入手している情報について整理します。行く前と行った後の差分をお見せできたら嬉しいです。

前段:フレキシブルワークスペースの潮流

世界的にコワーキングスペースの数が伸長しています。フレキシブルワークスペースの需要が伸びているからです。フレキシブルワークスペースとは、従来のオフィスを賃貸借契約で借りるのに対して、施設利用契約とすることで契約・解約の手続きを簡易化したり、中途解約による違約金が存在しなかったりするオフィスや、同じオフィス貸し会社と契約し続けるのであれば同じ拠点の別の部屋に移ったり、別の拠点に移ったりできるオフィスを指します。借り手側はコストを抑え、柔軟にオフィスを持つことができます。フレキシブルでないオフィスでは、起業家は自社の成長を予測して2~5年(国の商慣習による)縛りの契約をしなければなりません。当然最初は社員数も少ないのでスカスカのオフィスを借りるリスクを負うことになります。フレキシブルワークスペースとは従来のオフィス契約がもっていたフットワークの重さを解決する手段です。

フレキシブルワークスペースの提供者は大きく3つに分類

フレキシブルワークスペースのマーケットは大きく3つに分類されます。

1. 大型、多拠点を持ち、成長企業や大企業に対してオフィスを提供するグループ(リージャス、knotel、Wojo、wework)

 こちらは企業や利用者のオフィスニーズに合わせて同一拠点、他拠点展開までサポートするグループです。誰の何を解決する、というところでいくと総務部のオフィス探索・維持に関する課題を解決しています。新拠点を立ち上げるのに該当拠点のエリアを視察・比較し、プレゼン資料にし、契約書をまいて…というプロセスはもう不要になりました。個人会員は金額的にもインパクトをあまりもっていませんが、多拠点を同じように使える、ということで出張が多い人には刺さるでしょう。


2. インキュベーションスペース(B.Amsterdam, Factory Berlin, Station F)

スタートアップを対象に、インキュベーション機能に特化したスペースです。これらはスタートアップを志す起業家の卵と投資家を引き付け、どれだけ成長させたかを誇ります。彼らの最低限のKPIは満席率に見えますが、ビジネスとしては多様な分野で売上をあげられます(VCへの紹介料をキックバックで受け取る、公的機関から支援をもらう、イベントの企画で費用をもらうなど様々な上あまり教えてくれない(そりゃそうだ))。自ら投資をする、マイナー出資に入れてもらうスペースもあります。インキュベーション機能(事業サポート)を求めるスタートアップを引き付けます。


3. 1~数拠点を国内外で運営しているスペース

こちらは日本と同様、多岐にわたります。趣味的なものからスモールビジネスとしてのオフィス、拠点数は少ないが利用者にオンライン教育コンテンツを提供するスペースまであります。これらは基本的にオーナーや運営者の人柄や利用者の家からの通いやすさ、コストパフォーマンスで選ばれています。

ということで日本にいながら集めた情報です。現地での新情報や新発見が楽しみです。

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