知念だしんいちろう

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君たちはどう生きるか、感想

これから、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」の感想を書きます。 ネタバレはしませんが、もし僕と似たような感覚を持っている人が読んだら「鑑賞後の感覚ネタバレ」にはなるかもしれません。 僕の感想は「子どもの頃、図書館で借りた本を読んでいた時の自分を思い出して愛おしくなった」です。 本の中に落ちて行き、その世界に没入して、文字を読んでいることもページをめくっていることも感じない。 物語を貪り食う。 身体の存在も忘れてお話しの中を漂う。 「ああ、そうだった。あの頃はそうやって

    • ラジごっこ ①

      「今日もいっぱい死んでるなぁ」 沖縄では当たり前となっている新聞のお悔やみ欄。 そのページをじっくりと見回しながら父がそう言ったのを、咲希は何度も聞いた。 まさか自分が47歳という若さでそこに載るとは思ってもいなかっただろう。 咲希の父親である和成(かずなり)は膵臓の病でこの世を去った。 病気が発覚してから医師に「余命一年」と言われ、そこから半年ちょっとで逝ってしまった。一人娘である咲希が念願だったドルフィントレーナーとして働き始めた矢先の事だった。 母の晴海と二

      • ミルクボーイのネタをウチナーンチュにやってもらおう。

        ミルクボーイの漫才をウチナーンチュがやったらこうなりそう。 宇地泊くんと喜舎場くんで『ウシチチワラバー』です。どうぞ。 喜「わったーアンマーがよ、好きな沖縄の食べ物があってからさ」 宇「だーるばー?」 喜「やしがその名前を忘れたらしいわけよ」 宇「どぅーの好きな食べ物、忘しとんばー?」 喜「色々聞いてもぬーがらひーがらわからんくてよ」 宇「だったらわんがいったーアンマーの好きな食べ物を一緒に考えてあぎーさ。どんな特徴言ってたか教えてとらしてみ?」 喜「毎年この

        • 手と手を合わせてM-1グランプリ

          M−1グランプリ。 全てのネタがおもしろく、新たなスターが生まれ、数多の漫才師に夢を与えた今年の大会。興奮が冷めず。 でも色んな人が色んな事を言っているのでちょっと冷めてきた。あの場に立った芸人に、審査員に、制作側に何か言いたい人たち。 そういうことじゃない。そんな事する前にもう一回録画を見ろ。そして笑え、拍手しろ。 拍手。 僕の注目ポイントは拍手。 前言撤回。 僕も何か言いたい。ので、言う! 今年のM-1をリアルタイムで見終わり、気づいた。 拍手が上手い。

        君たちはどう生きるか、感想

          それでも残しておこう

          首里城のこと。 なぜこんなにも辛いのかと考えている。 10月31日、普段は一度寝ると起きないのだがなぜか4:30頃に目が覚めた。何気なくスマホでTwitterを開くと、燃えている写真、が続々と。テキストには「首里城」の文字。そこから目が冴えてSNS上をさまよい続け、宜野湾の僕の家からは見えるはずもないのに外に出て首里方面が見えそうな場所を求めてさまよい続けた。 なにがこんなに辛いのか。 考え続けて、ふと、「魂の飢餓感」という言葉が頭をよぎる。 亡くなった翁長前知事が

          それでも残しておこう