君たちはどう生きるか、感想

これから、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」の感想を書きます。
ネタバレはしませんが、もし僕と似たような感覚を持っている人が読んだら「鑑賞後の感覚ネタバレ」にはなるかもしれません。



僕の感想は「子どもの頃、図書館で借りた本を読んでいた時の自分を思い出して愛おしくなった」です。

本の中に落ちて行き、その世界に没入して、文字を読んでいることもページをめくっていることも感じない。
物語を貪り食う。
身体の存在も忘れてお話しの中を漂う。

「ああ、そうだった。あの頃はそうやって本を読んでいた」と、思い出しました。

あちらの世界に思う存分浸ったあと、現実世界へ戻ってきた時の安心感。
お話しと現実の境界が曖昧になっていることへの少しの恐怖。
現実世界の辛さ、寂しさ。
時には自分が「この現実世界で生きるしかない」という絶望の入り口のような苦しさ。

そんな感覚を思い出して、あの頃の自分の純粋さに心が熱くなりました。
それと同時に、「もうあの頃のようには物語と現実を自由に行き来できない」事への寂しさも湧き上がってきました。


そしてタイトルの『君たちはどう生きるか』。

自分の子どもに、あのころ味わったような感覚を与えられる作品を渡せるか?

子どもたちが自由になれる本、映画、音楽、漫画・・・それらを残せるのか?

こんな事は考えたくないですが、もし現実世界でどうしようもなく辛くて絶望的な毎日がやってきたとしたら。YouTubeもNetflixも見れない状況で、子どもたちの心を逃してやれるもの、せめて心だけでも自由にさせてあげられるもの。それは本の中に広がる物語のような気がします。もしかしたら歌もそうかも。


ずっと物語の中にいた方が幸せかもしれません。
でも、現実の世界が僕たちの世界です。
逃げずに、諦めずに、そこで「どう生きるか」。


思い返せば宮崎駿監督の作品やジブリの映画は、子どもの頃の没入感に似た感覚を、大人になっても映画館で与えてくれてきた気がします。


でも、
だからこそ、
僕は現実世界にちゃんと戻って、
今日もお笑いを作ります。

今は「どんな歪みでも整える天才整体師がリアス式海岸を整える」というコントを作っています。
現段階で全然おもしろくないので世に出すことはないかもしれません。

現実、つれぇ・・・。


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