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「ピアチェーレ」について

 こんにちは、チネンユーダイです。
 改めて、自分の誕生日祝っていただいたり、新曲を聴いてくださりありがとうございました。そして、ミクさん誕生日おめでとうございます。これからもよろしくお願いします。
 今回は「ピアチェーレ」についてお話していきたいと思います。

サムネイルイラスト:RUAさん https://twitter.com/RUA_keep_love


制作、投稿の経緯

まず初めに、この曲はボカコレに投稿する予定は全くありませんでした。自分の誕生日に投稿したいというので、8月5日を投稿日にしようと決めていたのですが、ボカコレが合わせに来ました(何様)。楽しかったという意見やここ改善した方がいいよねといったさまざまな思いがボカコレ終わりから飛び交っていますが、個人的にそれぞれの意見もわかるし、自分に該当する批判的な内容もあって耳が痛いと思いましたが、参加できて良かったと思っています。曲作りへのモチベーションが高くなりました。改めて、運営の皆さん、参加したボカロPの皆さん、聴いてくださった皆さん、ありがとうございました。

『ピアチェーレ』は自分の新たなテーマソングを作りたいと思って制作を始めました。私事ではありますが、作曲を始めてから7年近くの時間が経過しています。作曲を始めた当時に作った「声」という楽曲をこれまでテーマソングとして掲げていました。しかし時間が経つに連れて、自分が置かれている境遇の変化や音楽を続けられている理由を考えた時に、改めてテーマソングとなる楽曲を作りたいと決意しました。

 自分としては楽しいからという単純な理由で続けてきましたが、動画として投稿していく中で、聴いてもらえたり、感想を送っていただいたり、さらには歌ってもらったりして、自分が楽しいからというだけで音楽を続けているとも思えなくなってきたなと感じてきました。そして、音楽を続ける理由が自分だけのものでないと思った時、この「ピアチェーレ」には自分以外の歌声が必要だと思い、コーラス募集をさせていただきました。また、動画を作っていただいたRUAさんには、デモの段階から聴いていただき、これはちゃんと動画を作ったほうがいいと後押しをいただき、依頼しました。

楽曲解説

 今回、使った楽器はメイン伴奏となるオルガン、それを助けるサブリードシンセ、ベース、ドラム、SEとかなりシンプルなものとなっています。ここ最近、自分の作る楽曲も以前に比べるとかなり音数が減っていたので、その点を踏襲する形となりました。

 イントロでは、オルガンと共に拍手を入れるという自分でも不思議に思う始まり方にしました。これは、コンサートの始まりを表現したくこの形にしました。オルガンもイントロ以降の跳ねたリズムではなく、伸びた音となっている分、開演前ブザーのような音にも成りうると思います。そして、頭サビに向かってドラム、ベースの順に、もうすぐ始まる高揚感を表現しました。ワクワク感が伝わって欲しいですね。

これから歌いますのは
あの頃に感じたこと 伝えたいこと
素直な言葉では恥ずかしいから
遠回りだけど音楽で歌わせて

 次に頭サビとなるのですが、その一声が「これから歌いますのは」です。前口上の紹介のような歌詞となりました。『ピアチェーレ』を作るきっかけとなった歌詞とフレーズです。おそらく、動画やライブで僕のことを初めて知る人が多くいるだろうという憶測のもと、自己紹介のようなフレーズがあるといいなという直感的なものです。何も知らないまま歌われても困ってしまうと思ったので、どんなことを歌うんだろうと興味を持つきっかけとなるような言葉で始めたいと思いました。であれば、「これから歌いますのは」のフレーズのあとは自分がいつもどのように楽曲にしているのかを書きたいと思い、「あの頃に感じたこと 伝えたいこと」と繋げました。前項の内容だとよくわからないので、具体的な内容を載せました。普段の生活での自分は、誰とも会話しない1日あるくらい会話の量が少ないんですよね。その上で、日々感じることを誰かに伝えることもほとんどないんですよ。ただ、伝えるエネルギーを音楽へと還元しているなとふと思いました。だから「素直な言葉では恥ずかしいから 遠回りだけど音楽で歌わせて」という歌詞になりました。「音楽で歌わせて」は文法的に合っているかはわかんないですが、「音楽に乗せて」という言葉に変えると文法として合うのではないかなと思います。

歌を作り始めてから
長い時間が経ってしまった
相も変わらず不器用な
声のまま一人で歌っているよ

 Aメロは冒頭でも語っていた、もう7年近く作曲しているんだという驚きとともに変わっていないことを書きました。この7年近く作曲していると気づいたのは、2023年2月にあったネタ曲投稿祭に投稿した『ミックスの仕方がわからない』の動画にあるDAW歴を書くときにフォルダを遡ったのがきっかけですね。結構時間が経ったんだなと驚きがありました。そして、時間が経っているわりにはミクさんにずっと歌っていただいたり、マイク1本だけでステージに立っていたり、曲の内容や歌詞の文体は同じだったりと何も変わっていないなと思いました。曲関係でないところでも、成人式後の同窓会で中学の友達からも何も変わってなくて安心するとおそらく良い意味で言ってくれたりと変わっていない部分が多そうだと思ったのもこの歌詞にした理由ですね。

ダークでカッコいい言葉とか
誰かへの愛の言葉とか
身の丈に合ってないな

だからいつも口にする言葉で
鼻歌のようなメロディで
音楽に綴るよ

 Bメロではこれまで行ってきた作曲の悩みが写っています。自分は主にボカロの文化に浸っている人間なので、そのシーンを眺めることが多いんですよね。となるとボカロの中心には「ダークでかっこいい言葉」で装飾された歌詞が本当にめっちゃたくさんあるんですよ。書こうとしたことがありますが、これ変にカッコつけすぎてて自分には合わないなと思いました。そして、「誰かへの愛の言葉」はいわゆる恋愛ソングですね。お付き合いしていただいた方はいるのですが、その時にちゃんと愛することができていたのかなと今、振り返ると思うことが多いです。なので、愛の言葉ってどういうものだろうと疑問に思うことが多いです。恋愛ソングを書いて欲しいというお話を友達からもらったことはありますが、今の調子だと書かないでしょうね…笑

これから歌いますのは
あの頃に感じたこと 伝えたいこと
素直な言葉では恥ずかしいから
遠回りだけど音楽で歌わせて

ラララララ…

 サビは頭サビとほぼ同じ構成となっています。そして、サビ後の「ラララララ…」はあえてミクさんと僕、それぞれの歌声単体にしました。Aメロで出ていた一人で歌っているという状況を表したかったです。この対比としてラスサビがあるのですが、その時に書いていきたいと思います。

やっぱ一人で歌うのは
心細くて怖いんだ
だけど時々届いてる
「頑張れ」が本当に心に沁みた

 ここから2番です。
 Aメロではライブハウスに歌うようになってから感じたことを描いています。対バンする人たちは大体、スリーピースやフォーピースのバンドなんですよ。楽屋待機でバンドメンバーで話している姿を見るとバンド組んでみたいなとか思ってしまいますね。あと、一人でライブハウスの舞台に立っていることにすごい度胸だねということも言われます。自分は一人、パソコンで向き合いながら曲を作ってたら、一人で歌うことに慣れてしまってそのまま続いちゃった〜みたいな感じです。だからこそ、時々届く応援のメッセージが身に染みます。本当にありがとうございます。

たくさんの人に届いて欲しい
今も昔も変わらないけど
簡単なことじゃないな

それで楽しめなくなるのなら
自分が死んでしまいそうだから
僕らしく歌うよ

 Bメロは音楽活動をする中で目に映る数字と原動力について書きました。「チネンユーダイ」活動前ぐらいは特にですが、自分のやる気と数字が見合わなくて心をすり減る毎日を過ごしていました。数字を中心にやる気を引き出しているような感じでした。今も数字は見ていますが、それよりも歌うことや曲を作る楽しさを原動力にしていることが挙げられます。そういった心境の変化を書きました。

ステージに立つ僕が
人生で一番輝くように
誰にも劣らぬように
聞いてくれるあなたの心へ
全力で歌わせて

 サビではライブハウスをイメージしつつもミクさんのステージに対する考え方も描ければいいなと思い書きました。自分として歌っている時が一番自分らしくいられていると思ったので、「人生で一番輝くように」という歌詞にしました。この次の「誰にも劣らぬように」という歌詞が一番最後に完成しました。とても悩みました。特に「劣らぬ」という表現にたどり着くのに時間がかかりました。勝ち負けという表現も考えましたが、音楽での勝ち負けという表現とライブハウスでのステージのイメージが噛み合わなかったので「劣らぬ」という歌詞になりました。そして、ライブハウスで歌っているというイメージなので、自分がどう歌っているのかなと考えたときに全力で歌って思いを届けるというのをやっています。それを最後の「全力で歌わせて」に込めました。

すぐ壊れそうな
人生の歯車は
あなたと共に歌うことで
動き始めた

 ブリッジでは人生のあり方を踏まえながら、音楽が与える影響を書きました。人生を謳歌するというとかなりレベルの高い生活が想像されます。そして、そこから外れてしまうと劣等感や罪悪感、やるせなさなどマイナスな感情が生まれてしまいます。この感情が大きくなると普段の生活がままならなくなったり、身近な人や豊かな生活を送る人に暴力的になったり、命を絶つといったところまで堕ちる人がいます。その例えとして歯車が壊れそうという言葉に置き換えました。これらを踏まえた上で自分は歌うことでマイナスな感情を打ち消しながら生活しています。そして、自分の歌声とあなたの歌声が重なることを夢見ながら、今音楽活動をしています。

気づけば僕の音楽は
一人で完結するものじゃなくなった
集まる想いたちが一つになり
音楽となって刻まれるように

 落ちサビは今回の楽曲テーマが詰まっています。色々な人に自分の音楽を聴いてもらえている状況、一人だけの音楽じゃなくなりつつあると思っています。だからこそ自分が出来ることとして楽曲に思いを込めながら、変わらず活動することかなと考えています。今後も音楽という形で思いを刻んでいくことを大切にしたいと思います。

これまで歌ったことが
あなたの人生の1ページになり
澱んでいた日常が
澄み渡り 虹がかかり
幸となりますように

ラララララ…

 ラスサビでは、音楽活動に対する願いを詰め込みました。一人だけの音楽じゃないということは自分の音楽が誰かに届いている、聴いてくれている人からの影響を受けているということになると考えました。つまり、自分の音楽が誰かの人生の1ページになっていると考えています。これは楽曲が届いていることもそうですが、あなたの人生が自分の楽曲に影響を与えているというものも含んでいます。ならば、自分が歌うことで聞いてくれている人の何気ないような毎日やマイナスな感情に塗れている毎日に彩りや幸せを運べられることが自分にとって一番嬉しいことで音楽活動をする意味へと変わっていくと考えました。この考え方は音楽を始めた当時にはなかった考え方であり、活動を続けていく中で変わった部分だと思っています。だからこそ、自分の新たなテーマソングを作ろうと決意しました。

 アウトロでは大合唱を取り入れました。一番サビの「ラララララ…」は一人だったのに対し、ここでは約40人分の歌声が入っています。改めてご協力いただきありがとうございました。ここで表現したかったのは、一人だけの音楽ではないという証明です。音楽活動を始めた頃には周りにほとんどいなかった人たちがだんだんと輪を広げていってこんなに大きくなったことが伝えられると良いと思いました。皆さんからの音源を頂いてDAW上で合わせた時、感動で泣いてしまうぐらい音楽活動を続けられてよかったと思いました。本当によかった。そして、この輪がさらに広がる可能性が秘めているというのも嬉しいポイントです。この輪が広がった時、改めて大合唱を浴びたいです。その時はまた皆さんの力を貸してください。

最後に

 めちゃくちゃ長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。これからの活動は「ピアチェーレ」をメインアイコンとして活動していくと思います。それくらい大切な曲に仕上がっています。誰かにチネンユーダイという音楽家をオススメする際にはこの曲を使ってもらいたいぐらいです。まだまだ小さな自分ですが、あなたの人生の1ページに刻み込めるような音楽、そして幸を感じてもらえるような音楽を作ることを目標としてこれからも活動していきたいと思います。改めて、チネンユーダイをよろしくお願いします。そして、いつも自分の音楽を聴いてくださりありがとうございます。これからも歌っていきますので応援のほどよろしくお願いします。

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