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質問箱009:原稿持ち込みで押さえておいたほうが良いこと

※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

【質問】


【解答】

①タイミングを考える

まず、多くの出版社は編集者の定時出勤はやっていません(営業・制作部などは別です)ので、午前中は編集部に人がいないことも多いです(編集長などは午前中に会議があるのでいることが多いですが)。夜型の作家も多いですからね。訪問時間は気をつける、ここは押さえておきたいです。

もちろん、持ち込みするときは事前に確認の電話を、編集部に入れるのですが、その電話自体も昼食の時間帯は避け、13時以降が好まれます。持ち込みは編集部の空いている日時を聞き、できるだけ日程を合わせたほうが良いのですが……地方の人はそうもいきませんしね。電話をする日も、注意が必要です。

校了直前の忙しい時間帯は、人もおらず殺気立っていますので、避けたほうが無難。編集部の発行している本の発売日の頃には、月刊誌なら既に編集部の作業は終わっていますので、そのタイミングで電話が無難。ただ週刊誌は四六時中忙しいので、土日以外ならあまり変わらないと思います。

②手土産は必須ですか

訪問は午後が指定されることが多いです(個人によって異なります)。地方の人は、上京予定の1週間から1ヶ月前ぐらいに聞くと、予定を無駄にせず良いでしょう。複数の出版社や編集部を持ち込みで回ると、効率的です。前日に確認の電話を入れたほうが、スッポカシの危険は減ります。

お土産は気持ちのものですから、無理に持っていく必要はないですが。甘いものは苦手な人もいます(甘すぎないスイーツは需要があります)し、果物など腐りやすいものよりは日持ちがするものが好まれます。また、包丁で切り分けるようなものより、パッケージに入っているものが、好まれます。

理由は、取り分けが楽だから。その意味で昔はセンベイや、おかきが好まれました。特におかきの大型の缶に入っているタイプ、缶が再利用できる(書類や台割を入れるのに重宝)ので、貧乏編集部では重宝されますね。裕福な大手出版社は知りませんm(_ _)m

地方出身者なら、その地方の銘菓が好まれますし、印象にも残りやすいでしょう。関西だと、お好み焼きセンベイとか鉄板でした。繰り返しますが、おみやげはあくまでも必須ではないので、できる範囲で。

③常に準備はしておく

1000ページを超えるような超大作は、ダメとはいいませんが編集者も困りますから、冒頭30ページを読んでもらえれば御の字と思い、全部読んでくれなかったと逆恨みするのは辞めましょう。冒頭30ページでも内容が良ければ、反応はもらえますから。最後まで読まないと面白くない超大作は、滅多にありませんので。

作品を持ち込んで、反応が良かったら「他に書いている作品はありませんか?」とか聞かれることがありますので、別の完成原稿があるとベストですが。作品の簡単なシノプシス(あらすじ)を200文字から400文字にまとめたものと、キャラクタ表を用意しておくと、その作品の評価はイマイチでも、興味を持ってもらえます。

できれば、3種類ぐらいのシノプシスを用意しておくと良いでしょう。さっと読めるように簡潔にまとめておくことが大事。できれば、その3種類はジャンルを違えて用意しておくのも、小技です。3本全部が異世界転生モノや、死神や天使が出てくるお話では、幅の広さがないと思われます。描きたいジャンル・描けるジャンル・苦手なジャンル、ちゃんと伝えるのも大事です。

④手書きでも名刺を!

連絡先として、手書きの名刺を渡しておくのも、少しでもチャンスは広がる方法でしょう。むしろ、きちんと印刷された物よりも、手書きのほうが印象に残ります。できれば、自分のキャラクターとかイラストが入ってるタイプの方が、編集者が後で見返したときに、思い出すきっかけになりますので、有効です。

汎用性を高めるなら、作者自身の似顔絵を書いたりとかもありです。ただし手書きの場合、電話番号やメールアドレスなど、連絡先を間違わないように。連絡しようとしたら、番号が変わっていて連絡が取れなかった、なんて編集者の話も聞きます。字にクセがあって、aなのかoなのかわからない人とか、けっこういますし。

今だと、名刺用のアプリとかありますので、そういうのを利用するのもありでしょう。昔の笑い話ですが、娘さんに編集者が電話したら父親が出て、オマエ誰だから始まって最後にはウチにはそんな娘いないとガチャ切りされた編集者もいたとか。今は携帯電話もありますから、そんなことも少なくなったようですが。


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