しないことを選ぶ、それは自分の価値観を決めること【推し本紹介】

どうも~千夏です。
今回は群ようこさんの「しない。」について書きます。(ここから下は常体)


この本は7月末にタイトルに惹かれて衝動買いをした本だ。表紙に一目惚れした、西加奈子さんの「きりこについて」と一緒に買った。
この「しない。」という本は全部で16章あり、少しずつ読むのに向いていると思った。
昔読んだイモトアヤコさんのインタビューで知った言葉を使うなら「都度都度読み」である。
時間があるときにできる限りよむのではなく、一日に読む量まで決めてしまっているから多少は都度都度読みとは違うのかもしれないが。


そこで、一日一つずつのペースで読んでいたのだが、途中から気になりすぎて、数章まとめて読むようになってしまった。
数章まとめて読むと一章一章を大事に読まないので入ってこず、読み終わってからまとめ読みしたところをまた一章ずつ読んだ。

不思議なタイトルに惹かれて何も情報を入れずに読んだのでジャンルも作者がどんな人かもよくわからないまま読んでいた。
著者の群ようこさんはもちろん有名だけれど彼女の作品を手に取ったことは一度もなかった。

この本を読んでから自分がしていないことを考えてそこから自分の価値観を知ったり、逆に今していることでしなくてもいいなと思えるものを探したりするようになった。

しないことを決めると自分の価値観が分かり、自分の考えを強くし決める前より楽に生きられるようになると思う。

例えば…本のネタバレにならないよう著者ではなく自分の経験を書くが、
自分は手帳を持つのをやめた。

中高生時代には周りと同じように手帳を使っていたが、ある時持つことが本当に必要なのか?と考え始めた。

小さいマスに予定を書き込むのが苦手で、見返すとその文字があまりに汚くて読めないので予定を見返すのに向いていなかったのだ。

大学入学を期に手帳を買ったが、その一ヶ月後うまくつかえていなかったことに気づいてカレンダーとスマホのカレンダーアプリ、リマインダー機能で予定や覚えるべき事項を管理するように変えた。


群さんは周りの価値観や時代の流れに囚われることなくしないことを決めている。
周りにとらわれず自分軸で生きているのだなということが話の節々から伝わってくるのだ。

もちろんこの本を読めば自分の価値観が分かる、しないことが分かるというわけではない。
この本は自己啓発本ではないので、こうすれば楽だよ、こんなことをすると良くないというようなことは書かれていない。
こんなにはっきり意見が書かれているのにも関わらず全く押し付けがましさを感じない。
自己啓発本よりも読みやすくスッと入ってきた。
そしてこの本はただ価値観が分かるだけではない。
とてもおもしろいのだ。
小説以外でおもしろくてしかもここまで著者の生き方に強くあこがれる、そういう本に出会ったのは初めてかもしれない。

朝少し早く起きて読むのにも、昼食休憩に読むのにも、一日の終わりに読むのにも向いている。
自分は特に読む時間帯は決めずに読みたいときに読んだ。サクッと読めるため特に本が好きではない人にもおすすめしたい。

「短編集のすゝめ」で書いた今読んでいる本とは実はこの本だ。読み終わるまでタイトルは明かさないと決めているので書かないでいた。

今回はここまで。
それではまた~。