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子どもと遊ぶのが苦手なワーママが、休日を楽しめるようになった話

「独身の頃、日曜の夜は憂鬱だったのに。今はホッとする…」

半年前の、日曜日の夜。やっとのことで子どもたちを寝かしつけると、開放感に浸ったような顔で夫がつぶやきました。私はうんうんうんうんと、めずらしく首がもげるほど夫に共感しました。

子育て中はまるで金曜夜のほうが憂鬱な「逆サザエさん症候群だ」なんて言っていて、笑っちゃいました。

正直に言うと、私も夫も、子どもと遊ぶのが得意ではありません。

家にいると、床に次々と増えていく電車や車のおもちゃ。片付けても片付けても、穴のあいたバケツに水を入れるように、すべての苦労が徒労に終わる部屋。お気に入りの電車を取り合い、ギャーギャーと泣きわめく兄弟。しまいには、2歳の手に当たったテーブル上の牛乳が、床にプシャーーーーッ!!!

イライライラ・・・・・・・(こらえて、こらえて、私!)

週末は保育園がないので、24時間息子たちと過ごしています。だからか、家にいるときの私は、常にイライラの瀬戸際で生きているようなもので。

休日って「休む日」じゃないんかーい。平日より辛いなあ。

独身の頃、日曜日は何してたかな?
2度寝して10時頃やっと起きて、サンデージャポン見ながらゆっくり支度して、お昼すぎに表参道の美容院で髪を切って。ぶらぶら買い物して、明るい時間から友達とスパークリングワインとか飲んでおしゃべりして・・・。


「子どもがいると幸せ」と言ったのは、誰だろう。

幸せだと思えない私は「お母さん」じゃないのかな。そもそも産んだら母性って、自然と湧き出てくるものだと思ってた。私の母性はきっと、少し足りない気がする・・・。ごめんね、息子たち。

そんなことを考えると、夜にツーーーと涙が出てくることもありました。

涙というか、本当に「目から出てきた汗」みたい。体力も、気力も、いっぱいいっぱいで、つねに自分の限界を試されているようで。
育児は私にとって修行なんだと思っていました。


でもね、そんな私が最近なぜか「ああ今日は楽しかったなぁ」としみじみと思える週末が増えてきたことに気づいたんです。

それはこの外出自粛の流れがきっかけでした。
どこへも行けないので、息子たちとゆっくり近所を歩いたり、自転車で遠くの公園まで、足をのばしてみたり。

すると今まで気づかなかったものを、たくさん見つけることができたんですよね。

たとえば、雨の日に見つけたアマガエル。
雨でいやだなぁと思っていたけど、息子たちはキャッキャと晴れの日より大興奮。雨でも楽しめることを、私は知りました。

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散歩の途中で見つけた、アゲハ蝶。
息子は初めてちょうちょをつかまえて、「ぼく、さわれるよ!」と嬉しそう。ゆっくり歩いてなかったら、きっと見落としていました。

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いちごの花にとまる、ミツバチ。
こうして見るとかわいいぁ。じっと見つめる息子たちはもっと、かわいかった。

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壁にとまっていた、大きなトンボ。
触る勇気がなかった長男に「ママさわって!」と言われてつかまえようとしたら、逃げられてしまいました。くぅ。なぜか悔しかった私です。

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私は小学生の頃、虫をとることが大好きで、息子たちと虫をとっているとその時の楽しい気持ちがよみがえるようでした。

家の近くを調べれば、楽しそうなイベントが開催されていることにも気づきました。先週は、じゃがいも掘りへ。

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家族4人で、宝探しのように掘ったじゃがいも。じゃがいもは根っこじゃなくて「茎」なんだって。さつまいもの仲間じゃなくて、「トマト」の仲間なんだって!30数年生きて、はじめて知りました。

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キタアカリと、はじめて見た赤いじゃがいも!家に帰ってさっそく、オリーブオイルで揚げてみました。庭でとったローズマリーと一緒に。

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子どもとの怒涛の週末を終えようとする日曜日の夜。
この手作りフライドポテトをつまみながら、夫とゆっくり飲むスパークリングワインは、とてもおいしかった。独身の頃、おしゃれなレストランで飲んだやつより、おいしかった。


その夜、寝る間際に、夫は私にこう言いました。

「疲れたけど、いい疲れかたをした日だったよね。」

そうだなぁ、その通りだな。体は疲れているんだけど、それが余韻とも感じられるほどに、心はなぜか満たされている。その理由はなんだろう?

私自身が楽しかったから、なんですよね。

カエルとか、チョウチョとか、私にとっては当たり前のものを、見て、触って、キャッキャと楽しむ子どもたち。彼らが「はじめて」に出会う瞬間を見るのが、私にはとても嬉しい瞬間だったんです。

大好きな人の「はじめて」をずっと見ていられる。
それが子育てなんだ!

たしかに、イライラする日もたくさんあるんですけどね(笑)
息子たちといることで、私もたくさん、はじめての経験をさせてもらっているなぁとも思うのです。


今日は保育園のクラスでひとりだけ「カニがさわれた」とかで、誇らしげに帰ってきた長男。そういえばこの間、いっしょにカニをとったよね。

あさってはまた土曜日。
何をしようか。どこへ行こうか。晴れるのかしら。
家族でいちばんわくわくしているのは、きっと、私です。

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小森谷 友美
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小森谷 友美|大学院に通うコピーライター
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