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M太郎と相棒、"みかんちゃん"

最近、結婚後に購入する車について話し合いをしています。
M太郎の地元は車社会なので、一人一台所有するのが当たり前です。
そんな話をし始めたころから、わたしたちの間で車への愛着が増してきたという話です。


M太郎の愛車 "みかんちゃん" 

いまM太郎が乗っている車は、オレンジ色のスバルSUVです。”みかんちゃん"という名前がつけられていて、その名の通り、鮮やかなオレンジ色のボディで、かなり目立ちます。駐車場で見つけるのも簡単です。

ただでさえ地元で顔が広いM太郎は、このみかんちゃんのおかげで車に乗っていても気づかれることが多いです。

田舎あるあるなのかもしれませんが、よく対向車と「よっ」という感じで挨拶を交わすことがあります。私にとっては、それが珍しい光景だったので、最初はなんだか面白くて笑っていました。いずれ私もするようになるのか....?


交際1年で、約4000km以上を走行 

M太郎は、たまに韓国人の彼氏のような行動をしてくれるときがあり、長野で遊んだときは、ほとんどみかんちゃんで私の地元まで送り届けてくれます。友人にそのことを話したとき、愛の不時着が流行っていて、「M隊長........ 」というコメントをもらいました。※ドラマの主役、ヒョンビンが演じるリ・ジョンヒョクが、リ隊長と呼ばれていました。

長野と私の地元は、往復で約320kmあります。休憩なし渋滞なしで、片道約3時間半ほどかかります。初めてM太郎が送り届けてくれたときは、本当にこんなことしていいのか、、?と思いつつ、感激してしまいました。
でも、同じくらい帰り道が不安で、無事に着いたと連絡があるまでソワソワしました。多少慣れてきましたが、今でもやっぱり不安です。

ただ、みかんちゃんの車内での会話のおかげで、今があると言ってもいいのでは?と思うほど、遠距離の私たちにとっては大切な時間だったと思います。電話で話すことはもちろんできますが、やっぱり恋人同士は直接会って話すことが一番大切です。


結婚について、大雨のなか車内で話し合い

交際してからすぐに、私たちはよく結婚の話をしていました。問題は、私が長野に行かなければならないという点でした。「一度ちゃんと話さないとね」なんて会話をしていた頃、ちょうど中間地点で会い、話し合うタイミングがあったので、コロナの関係でみかんちゃんのなかで話すことに。

この頃はまだわからないことが多く、私が色々な決意ができていない状態だったので、話していくにつれてだんだんと暗い雰囲気に。どんな話をしたか忘れてしまいましたが、なぜか私は泣き始め、しまいには大雨が降り始めるという始末です。
この時、なんとなく二人の間に流れていた「こんな会話をしているときに大雨......。」という空気は今でも覚えています。

それから夜になって寒くなり、話すのも疲れてきたころ、M太郎が座席シートの暖房機能をいれてくれました。たしかジブリジャズ的なBGMも流してくれて、そのおかげでじわ~っとお尻や背中があたたまり、私はなんだか落ち着き始めました。
それから車内の雰囲気が穏やかになり、私の電車の時刻も近づいてきていたので帰ることに。結局最後は名残惜しいのを我慢して解散しました。

別れ話をしたわけでも、口論をしたわけでもなかったのですが、このときの話をM太郎としたとき、
『僕はあの日の帰り道をよく覚えていないよ...』と言っていました。笑
全てはみかんちゃんの暖房シートのおかげです。


みかんちゃんと初めてのお弁当

わたしの最終出勤の日、M太郎はみかんちゃんではるばるサプライズ登場してくれました。
なんだかんだですごく頑張って働いた会社だったので、最終出勤ということで、センチメンタルな気分になっていました。そんな帰り道に迎えに来てくれていると知って、すごく感動しました。

会社の近くの駐車場にみかんちゃんを停めてくれていて、オレンジ色のボディを見た瞬間、「よく来てくれたね〜」と安心感に包まれました。

車内に乗ると、なんとびっくりしたのですが、シャンパンとお弁当を用意してくれていました…。初めて彼氏にお弁当を作ってもらうという経験をしました。

例のBEAMSのトレーが、なんとここで活躍です。(前回の記事、【プロの一人っ子だよね】をご参照ください)
パエリアとステーキを食べながら、家まで送り届けてくれたのですが、シャンパンを飲んだせいもあって、仕事の色んなことを思い出して号泣。
この日は私にとってすごく思い入れのある1日になりました。


みかんちゃんにあと何年乗るかを考えて涙目

このエピソード以外にも、プロポーズの日、私の両親への挨拶の日、お互いの誕生日、などなど、みかんちゃんはいつも一緒にいました。

引っ越し後、どんな車を買うかという話になったとき、「あと何年みかんちゃんに乗るのか」と考えたM太郎は、たぶんお別れの時を想像したのだと思いますが、なんと涙目に。(態度は大きいくせに、こういうところがあります)

『みかんちゃんはまだまだ走るもんね〜〜、ぼくたちずっと一緒だもんね〜〜。』
と、ハンドルを撫でていました。


それから、スーパーで買い物をして駐車場に停めたみかんちゃんの元に戻ると、「ただいま」と声をかけることが増えた気がします。

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