教育実習で聾学校に行った時の話

私は大学生の時教職課程を履修していました。その教職課程の一環で聾学校で1日教育実習をすることになったお話です。

聾学校とは耳が不自由な子供が通う学校です。

妹の関係で支援学校に行くことが多かった私からするとそれほど大変な実習だとは思いませんでした。

私が普段接している妹は言葉の発達が良くなく、言葉でのコミュニケーションが困難なため意思疎通するためにはコツが必要です。
それに比べればというのは少し失礼かもしれませんが、耳が聞こえないのならば、筆談と身振りでコミュニケーションが取れると考えていたのです。
しかし、他の学生は違ったようで、一生懸命話して伝えようとしていたのです。私は、それを見てとてもイライラしてしまいました。
なぜ、耳が聞こえない人間に音でコミュニケーションを取ろうとするのか、「相手は耳が聞こえない」「私は手話ができない」ならば筆談という方法がお互いにストレスも少なく比較的スムーズに意思疎通ができると思うのです。

健常者に囲まれて育った人が全てそうだとは思いませんが、相手とコミュニケーションをとるためにその手段を考えるということをしてこなかったのではないかと思いました。
健常者に囲まれていればコミュニケーションに本当に困ることなどないのですから。

私は、落ち着きのなく人の話が聞けない妹との会話の仕方を何年もかけて考えて試してそうして意思疎通できるようになりました。こだわりが強かったり人に合わせられないなど知的障害には言葉も文字も伝わりづらいです。そのなかでも伝え方はあります。
耳が不自由なら、手話や筆談があります。なぜそのような簡単なことにたどり着けないのかなぜ、相手に合わせたコミュニケーション方法を考えられないのか憤りを感じました。
ハンディがある人に対して、ではどうしたら歩み寄れるのかを考えることがコミュニケーションをとるために最も大事なことなのではないでしょうか。

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