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課長 志摩うめこ 35才 (1)

今日、うめこさんは35才になる。
付き合い始めて約1年、仕事や私生活が見えてきた。

「仕事が終わったら、19時に駅前のイタリアンレストランに予約したから、
待っていて。仕事が終わったらすぐ行くから。」と電話をした。 

少し早く、お店に着いてしまったのだろう、
入ろうか、どうしようかと迷っているうめこさんを見つけて、
後ろから声を掛ける。
「うめこさん、待たしてごめんね。」
「私も今来たところ。大丈夫よ。」 
何が大丈夫なのかわからないが、出た言葉が面白くて笑ったら、
「大丈夫よ、ごめんね。」 とまた謝る。
「入ろうか。」 とうめこさんの手を取り、お店に入る。

「ワインは何にする?」
「イタリアワインはわからないから、任せるわ。」
「そう、じゃぁ、アンティパストミストには
グラスで、シャルドネにしようか。」
運ばれてきた、アンティパストミストをつまみながら、
ワインを口に含むと、
「おいしい!」と。
「よかった。喜んでくれて。」
その後も、次々と料理とワインを頼み、
気が付いたら、もう、21時、
最後のデザートを食べたら、おなかが一杯。
「イタリアンて、こんなにボリュームがあるのね、知らなかった。」
「そうだね、フレンチよりはあるよね。」
「こんな本格的なイタリアン料理って初めて、美味しかった。」
「じゃ、また、今度、来ようか?」
「いいわよ、毎回これじゃ、高いでしょう?」
「ううん、大丈夫、うめこさんが喜ぶ顔を見れるなら安いものだよ。」
そう話しながら、ポケットの中の小箱を確認する。
お店は静かに閉店の用意を始めたみたいで、
それに気が付いた、うめこさんが
「もう出ましょう。」
ほんとうは話すことがあったんだが、押されるように、
「そうしようか。」

お店を出て、手を繋いで駅に向かう、
「うめこさん? 今日は部屋によっても大丈夫?」
「えぇ、大丈夫よ。」 
そう言ってほほ笑むうめこさんと並んで電車に座り、
うめこさんの部屋に向かう。

部屋に着いて、うめこさんは、きちんと整理されたラックから
CDを選び出して、音楽をかける。 

静に流れ出す音楽は、
David Bowie のSpace Oddity だ。

Ground Control to Major Tom
Ground Control to Major Tom
Take your protein pills
and put your helmet on

Ground Control to Major Tom
Commencing countdown,
engines on
Check ignition
and may God's love be with you

[spoken]
Ten, Nine, Eight, Seven, Six,
Five, Four, Three, Two, One, Liftoff

This is Ground Control
to Major Tom
You've really made the grade
And the papers want to know whose shirts you wear
Now it's time to leave the capsule
if you dare

This is Major Tom to Ground Control
I'm stepping through the door
And I'm floating
in a most peculiar way
And the stars look very different today

For here
Am I sitting in a tin can
Far above the world
Planet Earth is blue
And there's nothing I can do

Though I'm past
one hundred thousand miles
I'm feeling very still
And I think my spaceship knows which way to go
Tell my wife I love her very much
she knows

Ground Control to Major Tom
Your circuit's dead,
there's something wrong
Can you hear me, Major Tom?
Can you hear me, Major Tom?
Can you hear me, Major Tom?
Can you....

Here am I floating
round my tin can
Far above the Moon
Planet Earth is blue
And there's nothing I can do.

何もできないのはトム少佐なんだと
取り留めのないことを思いながら、

僕は、うめこさんの肩をつかんで、引き寄せ、
長い長いキスをした。
そして耳元でささやく、
「・・・しよう。」
うめこさんは、
「うん、シャワーを浴びてくるね」と、言って、
立とうとした腕をつかみ、
「それも、したいけど、先に、これが・・・」
「えっ? 何?」
すぐさま、用意していた小箱をポケットから出して、
「結婚しよう。」
「えっ? えぇぇ? 」
おどろくうめこさんを抱きしめて、も一度言う。
「結婚しよう。」
答えを聞く前に、彼女の唇が覆いかぶさってきた。 
背中に回した手を首筋から肩へとやさしく移動すると
くすぐったそうに、身をよじる。
腰に手をまわし、反対の手で、胸元へ手を差し入れると、
強く唇を押し付けてきた。 

指輪の入った小箱はガラステーブルの上に置いて、
そのまま、ベットに倒れ込み、足首から、膝へ、
そして太ももから、上に手を動かすと、
うめこさんの呼吸が早くなり、背中に回した腕に力が入る。
「大好き。」とうめこさん。
「僕もだよ。」と、答えながら、洋服から出ている
全ての部分にキスをする。 

そして、洋服を脱がしていくと、
急に、
「シワになっちゃう。」と言い、逃げていくうめこさん。
洋服をクローゼットにしまう下着姿のうめこさんを眺めながら、
テーブルの前に座っていると、
ちょこんと反対側に座り、小箱を開けて、
「大事にいただきます。よろしく、お願いします。」と、お辞儀する。
「うん、こちらこそ、よろしくお願いしますね。」と言い
うめこさんを抱き寄せて、ベッドに向かう。 

そして、ブラジャーを外し、
小さ目ながら、張りのある乳房にキスをする。
そして、二の腕をもみほぐすようにやさしく触り、
彼女の喜ぶ部分を触り続ける。 
また、キスをして、明かりを消すと、
下着を外すうめこさんが薄がりに浮かんで、
とても色っぽい。

いつの間にか、CDも止まり、
うめこさんの息だけが僕の耳元に聞こえる。
「ダメ、ダメ、落ちちゃう。」
「これからはずーっと、二人で落ちよう。」と言うと、
全身でしがみついてきた。 

課長 志摩うめこ 35才 の誕生日。

忙しい明日が始まる。 

・・・
これは創作で、主人公に似た名前の人もフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。 
あくまで、妄想ですので事実と誤認しないようにお願いいたします。
・・・

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