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課長 志摩うめこ 34才 (2)

低く聞こえる絶望の歌。

He was singing
Bye-bye, Miss American Pie
Drove my chevy to the levee
But the levee was dry
And then good old boys were drinkin' whiskey and rye
Singin' this'll be the day that I die
This'll be the day that I die

新しい、部屋着に着替えてシャワーから出てきたうめこ。
涙を流しているのに、気が付き、
「どうしたの?」
「あぁ、うめこがどこか遠くに行ってしまいそうな気がしてさ。」
「いかないわよ、ここは私の部屋だもの。」
「そうだよな。」と言い、立ち上がりうめこの肩を抱きしめる。
ガードルもブラジャーも付けていない体を感じながら、キスをする。
少し火照ったからだが手のひらに心地よい。
「恥ずかしい。」と言い、
明かりを消そうとする手を押さえ、腕にキスをする。
「いや。」と声にならない声をあげるうめこが愛おしく思え、
今度は首筋にキスをして、部屋着の裾から手を入れ背中をさする。
「恥ずかしいから、明かりを消して」そう耳元でつぶやくうめこ。
「嫌だ、うめこのすべてを見たい。」
「恥ずかしい。」
そんな繰り返しも、愛おしいと思う。
ベッドに誘導して、腰を落ち着け、腰から背中に手をまわすと、
「あぁ。」とため息に似た声を出すうめこ。
首筋にキスをしようとしたら、ベッドに崩れ落ちるように、
倒れ込むを背中から支え、そっと寝かす。
うめこの頭を抱え込むように、髪の毛をなでて、
その手で耳朶を軽く覆うと、上目遣いに見上げて
「シアワセ」とつぶやくうめこに、「シアワセ」とかえす。
腕をまわしてしがみつくように抱擁するうめこを
本当に愛おしいと思う。

流していた絶望の歌が止まり、
静まり返った部屋には、隣の部屋の生活音が聞こえる。
するりと腕を抜けたうめこは、新しいCDをセットして、
明かりを消すと、また、腕の中に戻ってきて、
いたずらするように、腕に噛みつく。
愛おしさに、額から、鼻の頭、唇へとキスの連続で答えると
キスを返してくるうめこ。
流れる音楽は、CamelのAristillusだ。
低く流れる音楽に合わせるように、
抱きしめては、緩める腕にからめるように抱きついてくる。
腰から背中へ、手のひらでうめこを感じていると、
すべすべとした太ももが足にも絡みついてくる。
吐息が熱をおびてきて、うめこが感じ始めているのが分かる。
覆いかぶさるようにうめこの上に乗り、抱きしめると
乳房がつぶるれのが分かる。
部屋着の上から胸を触ると、声が上がるが、キスで返すと
さらにキスで返す。
首筋を顎で押すように圧迫し、耳朶に頬ずりをすると
「愛してる」とうめこ。
答えずに、部屋着をまくり、乳房に顔を埋め、乳首にキスをする。

暗闇で、吐息と吐息が重なり合い、
何時までも続くと思えた営みが終わると、
うめこの中に永遠に留まりたいと思う。
「愛している、愛している。」と繰り返して耳元でつぶやくと
息の上がった声で「私も」と答えるうめこ。

気が付くと、音楽も止まり、
「恥ずかしい」と言いながら
身をよじって、留まっていた部分を抜け出し、
身支度を始めるうめこの背中を抱きしめ、
乳房に手をまわすと、「今日はもう終わり」と言う。
「もう一度、シャワーに入るわね。」と
出て行くうめこの指を握って、行くなと意思表示をするが、
はにかんだ笑顔を見せて、
「一緒に入る?」と聞いてくるうめこに、
「うん、入ろう。」と答える。

課長 志摩うめこ 34才

あたらしい日々の始まりを実感した。

・・・
これは創作で、主人公に似た名前の人もフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。 
あくまで、妄想ですので事実と誤認しないようにお願いいたします。
・・・

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