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中国の外国企業形態について

中国では外国の企業が単独で企業を開始することが出来ないと思っている
人をあちらこちらで見ます。 

多くの人が上記のような勘違いをしていることに気が付いたので、
ここで説明をしたいと思います。 

中国における企業形態は大きく分けると三種類あり、
それぞれ管轄する法律が異なります。 

① 独資企業 外国投資企業法 1988 年公布施行 

② 合弁企業 中外合弁経営企業法 1979 年公布施行 

③ 合作企業 中外合作経営企業法 1988 年公布施行 

これを見ても分かるように、1988年から、
中国では独資、つまり、外国企業が単独で会社を開くことが出来ます。 

実際、自分が働いていた会社も、最初は合弁でしたが、
後に合弁を解消して、独資で仕事をしていました。 

中国に工場を持つには、超えるべき壁が沢山あるのですが、
合弁だと利益が出始めると、本社同士の綱引きが始まり、
ものすごく面倒くさいです。 

日本の本社は、利益をプールして、工場を大きくしたいが、
香港の会社は利益を香港に多く落としたいと言う投資家の考えで、
対立しました。 

当初は日本:香港の資本比率が、49:51で法律上、
香港の会社の意見が通ってしまいます。 

そこで、資本を買い増しして、51:49にして
香港企業と逆転して日本の意見が通るようにしたところ、
香港企業が合弁を解消したいとの話になり、
書類上で、一度、会社を解散して、独資として再登記して、
工場運営をしていました。 

中国は、三国間貿易を認めているので、深圳や東莞の工場で作った製品を、香港に輸出して、そこから上海や広州などの顧客の工場に再輸入すると、
香港に利益を落とすことが出来、香港からは日本へ送金が可能なので、
大きなメリットになります。

また、独資では中国国内の販売が規制されますが、
総売り上げの20%以内だったかな、
それ以上は税金が沢山かかるので、
製品をいったん香港に輸出するとすると、
税金がかからないと言うメリットもあります。 

実際は、保税エリアに輸出して、保税エリアから輸入すると言う形で、
製品が香港に行くわけではありません。 

書類上、輸出、輸入扱いになるだけで、中国国内から出ないで、
輸送できます。 

中国が、香港を離さないのは、三国間貿易のハブになり、
外貨を稼げる場所と言うのも大きな理由になります。  

色々、細かいこともありますが、大体、こんな感じですね。 

後、2020年に中国の「外商投資参入特別管理措置(2020年版)」が
施行され、企業形態が大きく変わりました。 

独資、合弁、合作と言う企業形態が取れなくなります。 

詳細は、ジェトロのHPを見てください。 


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