詩『April』



久しぶり。
この風、この匂いがやっぱりくすぐったくて、懐かしくって。
ずっと前から散りばめておいたハートから芽が出て花が咲いた。
この花を見るために季節はきっと回るのね。
今、ようやく気づいたわ。
何も身に纏っていない裸の私が一番きれいなの。
きっとあなたの目には私の周りに蝶がひらりと舞っているように映るのでしょうね。
その蝶はどんな色をしているのだろう。
どんな花の蜜を吸うのだろう。
どこからやって来て、これからどこへ飛んでいくのだろう。
分からないから私は、一輪ずつ香りを確かめる。
名前すら知らないその花の香りを。
また蝶が一羽、二羽と私の元へとやってくる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,427件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?