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会社にとって未婚女性を雇うことは、リスクなのか。仕事をしながら結婚を選ぶこと。

人生は何があるか分からない

私は、26歳のときに結婚をしました。当時社会人4年目。デザイナーとして「新人」と呼ばれる枠をはみ出し、少しずつ仕事も任されるようになり徐々に仕事の幅も広がり、仕事にやりがいが見えてきた頃です。

旦那に出会うまで、自分は結婚するとしても30歳以降であろうと思っていました。デザイナーという(当時)残業が常態化している職種のため、誰かと一緒に暮らしたり、ましてや人生を共にするなど全く想像できていませんでした。

しかし、ひょんなきっかけで旦那と出会い意気投合。付き合って約一年で入籍・挙式を執り行いました。

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結婚報告での経営者の一言に絶句

当時の勤務先は広告代理店からのデザインを請け負うデザイン会社。名古屋の繁華街にオフィスがありました。形ばかりの週休二日制と毎日午前様の帰宅でした。しかし仕事内容は面白く、一人暮らしで仕事漬けの生活はそれなりに楽しいものでした。

しかし、さすがに結婚したら独身の頃のようなだらしない生活はできないなぁと考えるようになり、社長に結婚の報告と結婚後の勤務について相談をすることに。

「今度、結婚することになりました」
「おめでとう。で、いつ退職するの?
「え。あの…変わらず仕事をしたいと思ってるのですが…」
「結婚したら勤務時間の融通効かなくなるでしょ?うちみたいな零細企業は無理だよ。

「時短勤務」「在宅勤務」という言葉もチラホラ聞かれ始めた頃だったように思います。しかし、全社員8人の小さな会社では取り付く島もありません。さらに自分より少し前に、女性の先輩デザイナーが結婚を機に名古屋の実家から大阪へ引っ越すことになり退職していました。

「女性デザイナーはいて欲しいけど、嫁いだら引っ越しちゃうし、結婚したら残業なんてできないでしょ?困るんだよなぁ」

社長にしたら立て続けの女性の離職。頭を抱えただろうなぁと今の私は思います。

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結局、社長の言葉にすっかりモチベーションを失いそのまま退職することにしました。

2009年当時の話なので、今はこんなにストレートに言われることは無いとは思いますが、結婚・出産を通して肩身の狭い思いをするのは多かれ少なかれ女性だと思います。

働く女性として考えるべきこと

もし将来結婚したいと思っているのなら、やはり職場に結婚した女性の先輩がいるかどうかは大切だと思います。大手企業なら問題は無いと思いますが、中小企業では前例がないと結婚を報告したら大騒ぎに…なんてことはザラにあります。

できれば就職や転職の際、女性スタッフがどんな働き方をしているかは確認しておいたほうがいいと思います。

例えば
◆時短勤務はできるのか。(固定給から時間給への変更なんてこともあるかもしれません)
◆妊娠出産をすることになった時に育休後の復帰に会社は対応できるのか。または復帰の前例はあるのか。

また、面接などの際に「結婚・出産」について前向きな言葉が聞けないのなら慎重になった方がいいかもしれません。

未婚女性を雇うことは会社にとってリスクなのか?

もし、「未婚女性を雇うことはリスク」と考えている経営者の会社なら、そんな会社で働くことは辞めた方がいいと思います。または、「結婚するまでしかこの会社では働けない」と割り切った方が吉です。そんな会社は3年以内の離職率が非常に高いと思います。

別に、男性だって結婚を機に離職することはあります。
というか、会社を変わることは働く側の自由です。
勤務条件や給与面で折り合いが付かなければ、離職する権利があります。「未婚女性を雇うことはリスク」なんて考えてる会社で働くことがリスクあり過ぎなのです。

しかし当時、純粋で若かった私は社長の言葉に涙し「これでクリエイティブな仕事とはお別れだ」と真剣に考えました。(そんなことは決してなかったのですが)結婚すれば自由な時間がなくなり、家庭に縛られ好きなことなんてできなくなる…(こんな考えも旦那に対して失礼ですが)と悲観していました。

確かに、結婚前と結婚後では大きく生活が変わりましたが日々充実しています。旦那という自分とは全く違う人間と出会うことで、新たな視点や気づきが多くあり一人のクリエイターとして幅が広がったと思います。

結婚は幸せな出来事です。

結婚で負い目を感じる働く女性が少しでも減りますように。日々そんなことを思いながら仕事をしています。

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