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今は卒業に意味を乗せたくなくて

大学を卒業した。

苦い顔をして卒業制作から手を離してから、しばらく時間があった。
海外旅行に行ったり、旅の途中にあったカフェで必要以上にゆっくりして異星人の感覚を味わったり、コロナにかかってみたり。


ここ数年間の記憶を綺麗に書き綴ることが、ある種の到達点というか、卒業証書よりも身近な証明になってくれる気がしていた。


でも、書けなかった、書かずにいた。


消化不良ともいえる卒業制作は、そのニュアンスを多分に含んでいて、「複雑な思考に靄をかけ、不安状態で安定したがる俺を照らしてくれ!誰か!!」という叫びを自分にぶつけた。

消化不良の要因は、その声に応えられていないからで、制作が終了しても、ガッツポーズはとてもじゃないけどできなかった。


四年制を移り、通信の大学に変えたとともに、一斉に生活の流れがストップした。
受容できる器量かは別として、側から見た自分は、暇な時間が多かったんだと思う。

暇だな、と思いながら、「全ての行動に意味あるように過ごさなきゃ!」と促す面にはしばらくおやすみしてもらっている。そのうち目を覚ましてくるかもしれないし、別に新しい誰かに乗り移って、何も言わずいなくなってしまってもいい。


考えた末か、もしくはそれを善としてサボってしまっているのかはわからないが、綺麗にまとめあげて、明確に踏み込める階段に変化させようとすることが、今は一番許せないのかもしれない。と思うようになった。

乱雑に引いた跡がある引き出しには、数年間で手に入れた金銀財宝、もしくは宝の地図?!いやいや、ただの燃え殻ですよ!そこには行った記憶は...ないですね.....


の手がかりが残っている。

筋道立てて動く、ゆるふわでパワフルでキュートな社会人を目指したい希望をここに声高らかに宣言するとともに、数年間の記憶を呼び起こすのは一旦やめておくことにする。


階段がなければエレベーター使えばいいじゃない、というわけで。






以下、下書きから抜き出したもの
まとめるまでいかなくても、確かに書きたかったもの

手元を離れるってわかっておきながら、ずっと覚えていられる気がしていて
誰も覚えていない明日の自分が書き残してくれそうだからさ〜と、不眠で目が痛む睡眠のその先を目指していく

いつか記すための記憶を繰り返していて、印象の断片は濃く覚えるように命令している

取り残された日常と、自然とそうさせた非日常は、時間は等しく、ヴィヴィッドなグラデーションでそこに置かれている


妙な真面目さが、人の目が揺れて極彩色でぼやけているような壁紙を、意識してもわからないくらいの手の届かないところに用意している
お天道様が見守ってくれているように、自分がずっと自分を見張っている
悪いことはできないって、そう思うから目立たないように目立たない方へ迷惑のかからない人の気に触れない方へ


あなたはどのような感想を?と問われると、出てくるかどうかも曖昧である
過敏から遠ざかるために始めざるを得なかった俯瞰が、今では外せなくなってしまって、瞬間を最大風速で進めない
主観からさらに遠ざかった、前を見据えてゆっくり足を前に進めているのに、ずっと視点が後ろにある


人の感情を読み取るに関しては頗る鈍感である


傲慢と自己肯定感の境目を答えられないから、何事も悲観で保守に入る、「まあ、いいんじゃない?」を適応して認められない自己だけ残っている


自分の立ち姿を恥じながら
世の中の余ったところに身を狭めてそこにいる


ゆっくりと夢をみよういつかは夢になろう

とはいえ 悔しいんすよ
人にはやわらかくありたいのに、自分はこんなもんじゃいられないって
ずっと悔しいままでいて
強く 朗らかで きよらかで それでいて
はげしく 力を込めて

やわらかく かつ パンクに✴︎

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。