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ひの
2021年5月12日 13:36
井の頭線から降りると、たった一つの出口改札の方向に道ができて、一目散に混ざり合う。流動的で無自覚な情緒を鷲掴みにして車両から飛び降りた。ざっくばらんに散乱している古書を手に取ってみても、こちらに目配せしているとはつゆ知らず、縁がなかったつもりになっている。気づかれなかった虫の息は、今もなお消されないテトリスのように敷き詰められている。Chicagoを横目に、カオストーキョーシティを一歩一歩