日記 夢の話

 お父さんと打ち上げ花火を見てる夢を見た。高い丘の上に大勢の人が集まっていて、私達もそこに居た。長いベンチに座って闇夜の中で輝いては消えていく光の粒を眺めていた。悲しくなったけど、綺麗だった。

 戻らない日常の中にも、沢山の素敵な思い出があったよね。
 込み上げて来たのは涙。よく考えなくとも、それ以外な筈はないけれど。
 いつかまた会おうね。お元気で。今の私には会う勇気がないから。何を話していいのかもわからないから。

 時々思い出すんだ。そして知りたくなる。あなたは私をどう思っていたのかと。多分、愛してくれてたんだよね。
 疑うことは辛いこと。信じることも辛いこと。でも浸ることは容易い。だから、もう少しだけ幸せな思い出に浸らせてほしい。 

 車窓の向こうを眺める。いつか見た摩天楼。それはきらきらしていて綺麗だった。
 橋を渡ればあなたに会える気がした。いつか。

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