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お手伝いは「5つのキョウイク」の「協育」

5つの家庭キョウイク

暑くて長い夏休みも終わり、学校や幼稚園なども始まりだすと家庭にいるお母さんたちはいつも日常が戻り、ホッとするやら寂しいやらと気持ちも複雑な中、それでも忙しくまた日々を過ごされていることと思います。

さて、夏休みはお子さんと一緒に過ごす時間も多かったと思います。そんなときにお子さんにお手伝いをたくさんしてもらいましたか?
夏休みに限らず、日常的にお手伝いをさせていますか?

お手伝いって子育てではとても大切な要素です。今の時代、親も子も忙しいです。また便利なものも増えたため、お子さんが手伝うことも減っているかもしれません。

中には「お手伝いする暇があったら、勉強してほしい」とか「どうせ自分がやりなおさなければならないから、二度手間になるから子どもにはやらせない」とか「頼むと機嫌が悪くなるから」などという親の声も聞きます。
これは、「お手伝い」の意味合いを理解していないからでしょう。

お手伝いは、都合がいいからやらせるのではなく、これは大切な「家庭教育」です。そして、チャイルドケアでは、「家庭」「家族」が幸せに暮らすためのヒントを「自然療法」と「家庭教育」を軸に提案していますが、その中では「家庭教育」を「家庭キョウイク」として5つの「キョウイク」を分けて様々な考え方を提案しています。

なぜならば「教育」としてしまうと、どうしても学校教育などのように考え、師がいて、教わる関係があって、正誤性を突き詰めてしまう言葉になりがちです。本来の家庭教育とは、そういうものではないので、私が勝手に「キョウイク」として、さらに文字を組み合わせてわかりやすく作ったのが「5つのキョウイク」です。

従来の「教育」、共に学び合うフラットな関係性の「共育」リズムや相手の状況に合わせる、波長を合わせたり共感していくことを大切にする「響育」、命の大切さを理解し、一日一日を大切に生きる「今日生く」、そして今日のお話である「協育」です。

お手伝いは「協育」です

お手伝いは、言い換えれば「支援」「協力」「補助」「補佐」「力添え」「世話」「荷担」「助ける」「援助」「扶翼」などさまざまな意味につながります。まさに協力して助け合っていく「協育」に当てはまりますね。

つまり、幼い時からお手伝いをすることにより、将来的な人間関係や社会への自立にも大いに役立つための力になります。そしてお手伝いで得たことは、生活作業や知識を得るだけではなく、誰かのために役に立ち、それを評価されることで自己肯定感が高くなり、豊かな人間力を築くことになります。

今の時代、核家族になり、家族や親族だけで助け合って生きることが難しくなりました。首都圏では近所付き合いも少なくなり、助け合うことがうまくできません。

助けてもらう方も助けてあげる方も不慣れなので、気持ちはあっても成立しません。でもお手伝いを上手に経験し、「協育」が育まれれば、頭で行う前に、困っている人がいれば、率先して手伝うことができるようになります。手を差し出す勇気が持てることで、社会で必要な力の源になります。

お手伝いは、「家庭協育」だということが分かれば、年齢に応じてお手伝いを考えましょう。親のまねごとを始める2歳ぐらいからであれば、完璧にできなくてもお手伝い初めができるようになります。物の受け渡し、出し入れなどができれば、「〇〇とってくれる?」とか、「ここに閉まっておこうね」と片づけを誘導してもいいでしょう。テーブルを拭いたりすることも上手じゃなくてもできます。そのたびに「お手伝いありがとう」と伝えるのです。

何かをして喜ばれる、ありがとうと言ってもらえることで、自分の存在意識を理解し、自然に自己肯定感を身につきます。そして、自然に成長の中で自発的に考えたりやってみるようになります。子どもは大好きな親のことをよく見ています。

だから親の行動を見せることですでにお手伝いの準備が始まります。それが真似ごとのごっこ遊びにつながり、興味となり、行動となって成長になります。だから、真似ごとでもうまくいかなくても、お手伝いの始まりだと思って、それができたときにほめて、感謝を伝えましょう。お手伝い始めを上手に生かして、生活の中に取り入れていきましょう。

恥ずかしい話ですが、実は長女が2~3歳だった頃、私は、雑巾がけを足でしていたことがありました。これを娘にしっかり見られていました。あるとき、デパートで買い物をしていると、娘がいきなりハンカチを床に落とし、それを踏みつけてこすっていました。「何をしているの?」と聞くと「お掃除」と言って、恥ずかしい思いをしたことがあります。子どもはとても親の行動を見ています。子どもに恥じない行動をしなければいけないと思った出来事でした。

気持ちよくお手伝いできる工夫を

年齢に応じて、少しずつお手伝いもできることが増えます。一般的に子どものお手伝いといえば、「家事」の一部が多いと思います。買い物や洗濯、食器運びやお皿洗い、お風呂掃除、掃除、ごみ捨てなど様々あります。ここで気を付けなければいけないのは、お手伝いをすることが苦痛にならないことです。今度は家事を「遊び」として上手に取り入れることです。

これを「家事遊び」と名付けてます。例えば、ゲーム感覚でお手伝いできるように工夫します。例えば、じゃんけんでお皿洗いを決めるというとき、通常はじゃんけんで負けた人が罰ゲームでお皿洗いをするかもしれません。でも我が家では勝った人がお皿洗いをするのです。

だって家族のために皆のお皿を洗ってくれる優れた人だからといって、「ありがとうございます。あなたのおかげです」といってひれ伏すのです。じゃんけんで勝った人をお皿洗いの王様にしてしまうのです。王様になると気分がいいから、一生懸命にお皿洗いをします。

そして再び、王様にお礼を言います。お皿洗いゲームはこれで終わり。ちょっとしたユーモアで子どもも気分よく動くようになります。家庭教育には、子どもが気持ちよく行えるユーモアをたくさん取り入れることです。お小遣いをお手伝いの手当てに渡すというご家庭もあるようです。家庭でよく話し合いをして交渉するというのも良いと思います。お手伝いが共同生活における大事な学びであり、役割になります。

忙しくてもできるお手伝いを

子どもが成長すると、学校や部活、習い事で時間もなくなって、少しずつお手伝いができる機会が減るかもしれません。でも自分で何ができるのかを考えてもらいお手伝いがけいぞくできるようにしましょう。お手伝いを日常から切り離さないことです。家族の一員であること、支え合うことの大切さはいくつになっても必要です。甘えや依存の関係性は、子どもだけではなく、家族の成長の妨げにもなります。ぜひ、素敵な「お手伝い」の溢れる家庭教育を考えて実践してください。

チャイルドケアはまさに「お手伝い心」で誰かをサポートするものです。大きなことをしなくても、自発的にできることを見つけてそこに寄り添うことができれば十分に感謝されるようになります。それが「協育」です。協育ができていれば、ボランティアに興味を持ったり、奉仕する余力が生まれたり、さらに大きな社会支援につながると考えています。また、今の時代に起こるさまざまな災害時に重要なマンパワーを作るにも「協育」は大切なキョウイクです。大人になっても、ぜひお手伝い上手になって、チャイルドケアを生かしてください。

チャイルドケア共育協会本部講師 松本美佳


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