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小さな幸せ

先日、最寄駅前で若い女の子に話しかけられた・・というより、文字が書いてある紙を見せられた。お店の宣伝という雰囲気でもないし、宗教っぽい感じもしないし、何だろう~と思って紙を見てみた。

「私はフィリピンからの留学生です。コロナで今困ってます。フィリピンのチョコレートです。買って下さい」といった内容のものだった。おぅ。珍しい・・と興味を持ち、とりあえず話を色々聞いてみることにした。家を閉め出された元専業主婦・現アルバイト社員の私の財布もなかなか固い。チョコが安全かも分からない。出す気はないけど、あまり出くわさないシチュエーションだし、なんだかかわいらしい子だし、とりあえず聞いてみよー。

どこの学校行ってるのー?何勉強してるのー?何でここの駅なのー?
・・はい。子供を奪われたおばさんは時間はあります。
きっと倍くらいの値段で売っているんであろうフィリピンのチョコ、ワンコインだけれども、私もそう簡単には支払えない。んー。そうか。留学生も大変だねぇ~。いや、でも私も大変なのだ。この勝負どうなる・・。

まだ買うと一言も言ってないんだけど、ちゃっかり2袋分を私が買う前提で強引ではないものの、絶秒な具合で差し出してきた彼女。んー。このたくましさ、嫌いじゃない。もうちょっと粘ってみたらどうだろう・・。そんな簡単にお金は手に入らないよ。

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・・結局、その女の子の必死さとなんともいえないたくましさ、がなんとも良くて、1袋購入してしまった。あー。この分、どこか削らないと。

私は自分の子供達をなにより「たくましく」なって欲しいと思っている。困難な状況に陥ったときに、とにかく生き延びて欲しい。生き延びる知恵と行動力をつけてほしい、と。
この留学生の彼女は、まさにそれを実現していた。どちらかと言えばソフトな印象だったこちらのお嬢さん、だからこそ、この必死さのグイグイ感が私にはたまらなかった。そう、いざというときには、そうやってグイグイいってほしい。自分で何とかしようという、その気迫、私は好きだ。

一人で異国の地の何の脈絡もない住宅地の駅前に立って、チョコを売る、って結構な勇気がいると思う。そのたくましさ、んー、いいねー。

その日、私は調停帰りで、例によって相手方や調停員のまぁーふざけた発言に、少々イライラしながら帰って、駅で降りたところだったのだが、この留学生のおかげて、なんだか元気になれた。負けないその心!そのたくましさ!・・そんなちょっとしたことが元気をくれる。なんかちょっと幸せをもらった気分だ。

そうそう、私も負けてなんかいられないんだったわー。と、思い出させてくれる。所詮、調停なんて茶番劇。いちいち怒っても仕方ないやー。
嫌がらせ・嫌がらせ・嫌がらせ。嘘・嘘・嘘。
狂った日本の法律に裁判所。
はい、はい、はい。変えましょ・変えましょ・変えましょ。
動いてはいる。もう一息。そう・そう・そう。

うん、負けない。たくましくいこうじゃないか。
そう思いながら食べたフィリピンのチョコ。
思ったよりもずっとおいしかった。

皆色々大変だけど、留学生さんもぜひぜひたくましく!
私も私でたくましく!
夫は私が落ち込んで苦しんでいる姿を見たいんでしょうけど、まぁまぁ、私もしぶといですから。そんな嫌がらせごときに負けないさ。残念でしたね

※本当は無許可で売ってはだめなんだろうけどね。まぁまぁ。