見出し画像

【子育て】こんなときどうする? #21 はさみが使えるようになるまで

今日は、少し具体的な内容になります。


幼稚園や保育園では、概ね3歳児〜4歳児になるとはさみを使った工作などが始まるかと思います。

スプーンやお箸が使えるようになる過程や、自転車に乗れるようになるまでの過程と同じく、はさみも段階を踏んでいくことで、上手に使えるようになります。

いろいろな方法があるかと思いますが、幼稚園での実践から、よかったと感じた方法をお伝えできればと思います。

①事前準備

まずは、手先、指先の巧緻性がある程度高まっていることが必要になります。少なくとも親指・人差し指・中指までは、指1本1本を意識して動かせる状態になれば、はさみの操作がしやすいです。

遊びの中で、洗濯バサミで挟む練習や、様々な手遊び、粘土などで指先を使って遊ぶものをたくさん取り入れてみてください。

②1回切り

まずは、子ども用のはさみの刃渡り半分程度の幅(だいたい3〜4㎝)の紙を用意します。

はさみで1回「チョキン」として切り落とせる幅が目安です。

また、意外と盲点だったりするのですが、はさみを使用するには、右利きの場合だと紙を持つ左手の操作性もある程度必要になります。

そのため、はじめてのはさみは、コピー用紙のような薄いものより、普通の画用紙程度の厚みのある紙の方が持ちやすいし切りやすいです。(それ以上厚いと逆に切りにくくなります)

まずはこの段階をしっかりやることが、後々上手なはさみ使いにつながっていきます。

慣れてきたら、徐々に細く切れるように促していきます。例えば、赤い画用紙を使ったときは、焼きそばに添える紅しょうがみたいに切れるようになってきたらバッチリです!

子どもにとっても、紅しょうがみたいにね、とか、ポテトみたいにね、などと言えばわかりやすくかつ楽しんでくれたりします。

そして、②以降全て共通しますが、切るための補助線は、あったほうが切りやすい子と、あると線にとらわれすぎて楽しめない子がいるので、状況に応じて書くようにしてみてください。

③2回切り

1回切りができるようになってきたら、次は刃渡りと同じくらいの幅の紙にします。

「チョキチョキ」と、2回で切り落とせる長さが目安です。

スムーズに②から③へ移行できる子もいますが、上手に切れるためのポイントは、はさみを「ジョキン」と閉じ切らないことです。

自転車と同じように、口で説明するよりもある程度切り方に慣れていくことが大切なので、「チョキチョキって切るんだよ〜」と音の感覚で伝えてあげるといいんじゃないかと思います。

④3〜4回切り

2回切りができたら、紙の幅をもう少し長くして、3〜4回で切り落とせる幅にします。これが上手にできるようになってくると、お蕎麦やうどん、ラーメン作りごっこが俄然盛り上がってきますね(笑)

⑤直角切り

④と並行して、直線以外の線も切る練習をしていきます。まずは「 〉 」の形を切ります。こちらもまずは幅は短くして、角まで1チョキン、曲がって1チョキンで切れるものからスタートすると良いです。

右利きの子の場合は、平仮名の「く」の向きだと、はさみで切りにくいですよね??

「 〉 」の形になれることで、自然に反時計回りに切っていくことも身についてきます。

(左利きの子は、くの字でOKですね。時計回りで切る方が楽なので、この時期に慣れておけると、その後も自分で時計回りで切れるように工夫ができるようになったりします!)

⑥弧(こ)切り

次は、「 ) 」を切っていきます。こちらも、いきなり円ではなく、弧から始めていきましょう。

〉や)は、細く上手に切れると、顔の表情などに見立てて遊ぶこともできるので、福笑いなどもおすすめです。

⑦四角や丸を切る

この辺りまでくると、いよいよ四角や丸、三角などの形を切ることができるようになってきます。

⑧ランダムな曲線を切る

基本の形が切れるようになったら、動物の形を切り抜くなど、様々な曲線にもチャレンジしてみましょう。



ポイントだけまとめてみましたが、こうして書いてみると改めて、段階を踏んで切れるようになっていくんだなぁということを感じました。

また、上手に切れるようにといろいろ声をかけたり、手伝ったりしたくなりますが、上達の程度に合わせた紙を用意してあげつつ、たくさん切ってみることが上達の近道なんだと思います。

はさみの基本の扱い方と、紙を持っている手を切らないようにと、その2点には十分に気をつけながら、はさみをたくさん使って、楽しさを感じられると良いと思います。

未来を担う子どもたちの健やかな成長を願って…。大切に使わせていただくことを約束します!