親ってなんだ

教採を受けた後、正直受かっている自信がなかったので、親には迷惑かけると思ってあまり相談せずに一般企業への就職についてあれこれ調べていたら、親に保険で受けておけと言われていた公務員試験の受験申し込みの締切を過ぎてしまい、昨夜親にこっ酷く叱られた。

受かっている自信がないというのは、先生になるために大学で勉強している時、学校は実はブラックでやりがい搾取、みたいな話をたくさん聞いたし、働いてみないと分からないが、学校で働いている自分がイメージしにくくなっていったので、先生を目指すのをやめるかやめないかの境界線を行ったり来たりしていたからである。先生になるか一般企業への就職を目指すかどちらに振り切ることもできず、教採を受けに行くところまで来てしまっていた。同じように、でも私とは覚悟が違ってちゃんと先生を目指しているクラスの子や、試験勉強をする学生達をサポートしていた大学の先生たちに、「頑張ってね!」と言われるたび、裏切れない、でも裏切りたい、といった相反する感情に何度も襲われた。そのうち私はほんとうに自分がやりたいことがわからなくなった。
相談するにも、自分のやりたいことがわからないこんな曖昧なことを相談したら、相手に怒られてしまうんじゃないかと思えて怖かった。だから、自分なりに自分の将来を考えて、試験ではできることをして、落ちた時のために、スタートは遅いけれど業界を絞って就活もしてみようと思った。

親は、まず私に、教員の資格の他に、公務員の資格も取っておけば将来安泰なのに、教採受験日と公務員試験の受付締め切り日がほぼかぶっていて、教採を受けに行った後は自信のなさから一般企業への就職について調べるばかりで公務員試験についてはよく調べていなかったため、申し込みの締切日を過ぎてしまっていたことを叱った。
資格は保険だ、と何度も親が私に向かって言ってきた。
明日の朝早起きして、今からでも受けられないか電話で問合せて聞いてみろ。と親に指示された。反論したかったが出来なかったことをここに書くと、今から受けようとしても勉強時間が足りないと思う。
受付終了してしまったのは、受けたかった(親が私に受けさせたかった)大卒の公務員試験。高卒の公務員試験は夏に受付が終わり9月に1次試験がある。
公務員試験を締切日過ぎた後から受けたいなんて言ってもダメでもともとだろう。受けられたとしても勉強期間は3ヶ月。親は死ぬ気で勉強してみろと言うけれど、受かる自信は正直ない。自信ないというと親はそんなこと言うな勉強しろと念押ししてくる。
将来の夢がはっきりしないまま試験受けろ、勉強しろ、と言われても、集中できなかった。教採を受ける前もそうだった。勉強にあまり身が入らなかった。
国家資格を持っていれば強い。親に力説されるうちにそれはそうなのかもしれないと思えてきた。でも、自分の好きなことを生かせる仕事もたくさんあって、心身ともに楽しく働くなら企業かもしれない。でもどれもこれも、そこで働いてみないと分からない。学校で働いて楽しいと思えるかもしれないし、企業で働いて楽しいと思えるかもしれない。現時点では決めるに決めきれず、未だに迷っている最中だ。


親には以前から、高い学費払って学校行かせてるんだから先生を目指しなさい、せめて資格を取りなさいと言われ続け、親を反面教師としていた私は自分が進むべき進路がいよいよ分からなくなって死にたいと思うほど目の前が真っ暗になったことがある。それを大学の先生に相談した所、かえって叱られた。
「親のせいにしてるだけ。それで死にたいなんて言わないでください。私怒ってます。何で自分で悩むことを諦めるんですか?自分の人生は自分で決めるんですよ?」と。
だって、何でもかんでも親に相談しないといけなかったから、親のせいにしたくなるんです。とはいえなかった。先生の目の前で自分はなんてダメ人間なんだと悔しくて恥ずかしくて大泣きしてしまったから。
はたから見たら自分の意思がないと思われて当然である。でも親のせいにしないで自分で自分のことするってどういうことなんだろう?
というのも
お昼ご飯を食べすぎて午後苦しい思いをしたり、着る服を間違えて出かけた時辛い思いをした事がある。家に帰ると親は「つらかったでしょ。ほれみろ。」と言ってくる。お昼ご飯食べるものも、明日着ていく服も、親に相談しなかったことを親から直接叱られる。そんなことが何度もあった。ざまあみろと言われる度、自分の胃袋の大きさも気温に合わせたコーデの組み方も、学習するのは私自身だから、そこまで気にとめず、相談することは次第に減っていった。でも、第三者から見た私の自分の意思とは、どのくらいの範囲のことを言っているんだろう。「自分のことは自分でやる」の「自分のこと」ってどこまでのことを一般的に言うんだろう。少なくとも、こういう環境で育ってきてしまった私は分からない。それも恥ずかしい。

自分の人生は自分で決める。なのに、そこに親が入ってきて「家族が関係ないってことじゃないから、まずは相談しろ」と言ってくる。「親を捨てるなんて言うな」とも言われた。
実家暮らしという環境的に相談しないといけない部分ももちろんあるけれど、就職、私の人生について親に相談することって逆になんだ?
親に強い口調であれこれ言われてもはや洗脳教育を受けているのに、それを振り切れということか?振り切ったら親が「言うことを聞いてくれよ」と怒鳴ってくるのに?
この家にいる限り、この無限ループは続いてしまうのではないか。私が自分で決めたことは遠回しにねじ曲げられ、自分が自分でなくなるのが怖い。そして第三者に相談すれば、親のせいにしているだけだと叱られる。

親に送り迎えしてもらって、親に小遣いせびってる人間が、全部ひとりでできると思うな。
高い学費払っているんだから、それに応えられるように勉強しろ。
そう言われた。
がんばってとか、ない。言うことを聞けと言わんばかりの口調で、私の進路を親が固めていく。

今私にはたくさん課題があるが、何から手をつければいいんだろう?お金が無いこと?
自分の車も持っていないので、バイトするにも田舎すぎて親の送り迎えに頼る必要が出てくる。車を持てたら、バイト先までひとりで行って自分のお金を稼げるんだろうけど、車を1台買えるお金は多分今うちにはないと思う。
バイト探して、親に送り迎えお願いしますって土下座しないといけないのかな。自転車はあるから、自転車使うしかないのかな。側道ない道路いっぱいあるから事故るの怖いな。やっぱり親に送り迎えお願いしないといけないのかな。
一人暮らし始める時も、かかるお金とか保証とか親に説明してお願いしますって土下座しないといいよって言ってもらえないのかな。極端かな。私いつ自立できるんだろう。


親は私がナマケモノでなんにもできない子どもだと思ってるっぽいけど、今まで受けてきた説教の節々にそれが現れていて、私もそれを聞いて自分はなにもできないダメ人間だと思うようになった。ナマケモノなのも変われないでいる。褒められたりしたこともあったけど、褒められた記憶より叱られた記憶の方が、情景やその時言われた言葉がはっきり思い出される。少し上から言わせてもらうと結果的には「褒めて伸ばす」は失敗していると思う。
親の言葉で左右されることもたくさんあったが、その度あ、これは理不尽なだけで関係ない、ここは自分を強く持とう、と説教の仕分けを頭の中でするようにしてきた。親の言うことが絶対なんてありえない、と。そして親を反面教師として見るようになった。
でも、それだけで、私はまだ何も変われないでいる。勉強もバイトもやれと言われたらやりたくなくなるし、学校以外はほとんど家に引きこもって、気まぐれ反面教師の親に怯えながら生活している。何もしていない私は外に出たらきっと色んな人から怒られバカにされ社会で苦労して誰とも関係を持てずぼっちになるような感じだと思う。

私は今の親に、どんなことなら頼っていいんだろう。自分のことは自分でしろ、ということと、相談もせずに勝手に決めるな、ということを交互に説教されて、何が何だか分からない。どちらの言葉にもうんわかったとは言えない。親も考えが極端だから困る。そしてそんな極端な考えが子の私も似てきているのが悔しい。親の言葉は全部無視していいのか。全部無視していたら親は頼りたい時に突き放してくるのだろうか。全然分からない。親とどうやって接していけばいいのか全然分からない。


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