過干渉

過干渉 3

過干渉を避けるための関わり方として、具体的な理解が進むように事例を踏まえて書きます。
過干渉 2 の干渉レベルを下げていく理想の関わり方は、昭和初期以前の家族の中には多くありました。
3世代同居の家族構成を例に説明すると、子供に何か教えるとき主たる養育者である母やその夫は、条件やルールで指示したり誘導したりするものです。
これにストレスを感じた子供は、素直になれなくて怒ったり不貞腐れたりします。
これを見ていた祖母や祖父は、母や父と同じことを言っても仕方がないため、孫に対し本人の感情やそれを言った母や父の感情を代弁した説明をしていました。
この家族構成での最大の利点は、子供に対してアプローチする人が複数いたことです。同じ人が干渉レベルを下げて話していくより、別の人が干渉レベルを下げて話してくれるのは、子供も素直に受け入れやすいです。
しかし、現在の核家族化している中において、主たる養育者だけが子供と関わらなければいけなく、同一人物が干渉レベルを下げて言葉を換えていくとき、インターバルという間を作る工夫が必要になってきます。

主たる養育者は、条件やルールだけで話すのではなく、感情を基準にしてどう話してあげるかです。
例えば、理由は何であれ子供がイライラして怒って玩具に当たって、玩具を投げてしまったとします。
子供がこれをやってしまったら、親であればほとんどの人が怒れて子供に向かって「自分で片づけなさい。」「自分でやったんだから片付けなさい。」と言ってしまうでしょう。「片付けないんだったら、もう捨ててしまうからね。いいわね。」とまで言ってしまうかもしれません。
これを、祖父母が言うなら「大事な玩具じゃない?玩具に当たったら玩具が可哀そう。この玩具は、〇〇ちゃんに何か悪いことしたかな?してないよね。手伝ってあげるから、一緒に片付けよう。」そして、玩具に「ごめんね。」と言いながら一緒に片付けるような話になります。
感情を基準というのが、このように、物を擬人化しても良く、つまり、感情のワードを使ってどう話が出来るかです。
「自分で片付けてくれる?〇〇ちゃんが、イライラして投げた玩具には、〇〇ちゃんのイライラが付いているから、ママは触りたくないな。ママがこれを触ったら、ママにイライラが移って怒りたくないもん。」こんな言い方でも良いです。
実際に、片付けることになったら、「〇〇ちゃんのイライラが移って怒れちゃう!!」「う゛ぁ~~!!!!」と叫んで演技して見せて、演技が終わったら片付けます。
ここまでやって見せていたら、次に同じようなことがあった時、「こないだ、触ったらイライラしちゃったから、ママは片付けたくない。怒りたくないもん。」と言えます。
これでも、片付けてくれなければ投げられて落ちている「玩具に付いている〇〇ちゃんのイライラ、どうやったら取れるかな?」と、付いているイライラを取ってから片付けます。

こういった感情を基準にした対応は、片付けさせるとうい行動に注目しすぎていません。
言う側もやらせることに目が行き過ぎると、子供はどんどんやりたくない方向の感情に向かっていきますし、最終的には問答無用でストレス最高値の行動の指示でもって片付けさせることになってしまうで、子供の問題を投げたとか、片付けることに注目するのではなく、話の中心を感情にしていってあげることで、子供も切り替えて片付けやすくなります。

このように、感情を基準にした話にしても、素直に動いてくれない子は、かなりのストレスを溜めていることになるので、この対応以外にも様々な場面でストレスを溜めさせない対応していくことが必要になってきます。

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