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魔法にかけられてLINEの返事が書けない

魔法にかけられてLINEの返信が書けない

元気ですか?
この問に答えるのはしばしば悩まされる。
むつかしい。会っていない期間が延びれば延びるほどむつかしい。
今日は元気だけれどトータルでいうと元気ではないというか、、
実際元気と言われれば元気であるが、自分の思い描いているものよりは元気ではない。
体調は良くない日のほうが圧倒的と言っていいぐらいだし定期的に通院もしている。
しかし、生きてはいる。
辛うじてこの世界に生きている。
元気のバロメーターの基準がもうわからないのである。
あの頃のように走り回れやしないし、大きく息を吸って歌えやしない。(とは言っても日常生活は送れるし頑張れば走れる)
思うように行かないけれどずっと寝込む病人ってほどではない。
「調子が悪い日もあるがそこそこ元気に振る舞いながら生きている」が正しいかもしれない。
しかしそんなのは人間当たり前である。
と、する場合はこの問には無難に
「元気です。」
と返すのが模範解答のような気もする。

そんなこんなで毎年誕生日にお花を贈っている恩人から一年ぶりにLINEがきた。
ちなみに去年もLINEは返していない。
いわゆる既読スルーだ。

私は言葉の魔法にかけられたのである。

もしかしたら彼女はフェアリーゴッドマザーなのかもしれない。(自分をシンデレラだとは思っていないけれど。)
1度魔法を魅せられるとどうしても期待してしまう。
次はどんな魔法が?どんな素敵な事が起こるの?シンデレラでさえも期待をしていただろう。

現実世界で云えば有名作家が次も大作を書き上げることを期待してしまうのと同じぐらいに。

言葉の魔力は強い。
良くも悪くも強い。
その時々で感じ方も変わってきてしまう、言葉というものは奥ゆかしいものである。
素敵な言葉の魔法を魅せられた後はどうしても余計にこちらの勝手な理想を描いてしまう。
そして思い描いた魔法じゃなかった時、気持ちがぐちゃぐちゃになるような気がしてる。

そんなのはただ残念な気持ちになりたくないこちらのエゴである。
それでいても尚、
ずっと魔法にかけられたままでいたいのである。
ずっとあったかい布団に包まれていたくて、
ずっと好きな具の入った味噌汁が飲みたくて、
ずっと犬をモフモフしてたいのである。

なので返信できずにいる。
というよりも返信する事で魔法が解けるのを恐れている。

大切な人ほどすこし距離感が必要なのかもしれない。そう思いながら…
手紙ならいいかな?と思いながら
心の中ではずっと思いを馳せている。
素敵な靴を履かせてくれてありがとう。

今年はあわてんぼうのサンタクロースを開催しようかな。

魔法にかけられてLINEの返事が書けない。

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