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21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考を読んでみました  ネタバレ


21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 Y・N・ハラリ 柴田裕之 訳

歴史学者の深い思考を感じられた一冊だった。
とても濃い情報で、どこまで理解できていてうまく表現できるかは心配ですが、
ネタバレも含みまとめてみました。

この本では、
歴史を紐解きながら、
 現在世界で起こっていること、
 少し先に起こりうることを教えてくれています。

テクノロジー面の課題
政治面の課題
神や戦争やテロのこと
無知や正義のこと
そして、教育や、意味というレジリエンス
そして意外な、瞑想の意味

などの面から書かれています。

グローバルになった世界で、統治の方法が確立していない中、
世界がどうなっていくか?
そして、自分はどう行動していくか?
そんなことを考えさせられた一冊でした。

以下箇条書きですが気になったところです。

物語・政治
人間は数字ではなく、物語で物事を考える
政治や統治には、神話などのわかりやすい物語が必要だ。そしてその物語は、人間が作った虚構だ。
共産主義を滅ぼしたのは、スーパーマーケットという自由だった
飢えに苦しむ子供に自由はないので、自由主義にはある程度の、福祉が必要。
ロシアでは、富の87%が10%の富裕層の手に集中している
自由主義は、セットメニュー型から、ビュッフェ型になっている
みんなが信じる虚構がつくれれば、法ができる
湾岸戦争の油にまみれた鳥のように、みんながそれを見れば思い出すようなシンボル写真がつかわれる。
昔からの物語が崩れ去り、その代わりとなる新しい物語がまだ現れていない現代


テクノロジー
科学者や企業や政府が、人間の脳をハッキングする方法を習得しつつある
AIとバイオテクノロジーが、生命を設計しつくりかえつつある
技術革新が大きすぎて、インターネット革命を主導したのはエンジニアだった
バイオテクノロジーは、意のままに脳を設計し、寿命を延ばし、考えを抹殺する方法をつきとめるだろう
人間は21世紀初頭の平和と繁栄はかつて経験したことがない
テクノロジー面のさまざまな革命など、この世の中でいま何が起こっているのか理解ができないでいる
政治家と消費者は、自動運転車への移行を何十年も妨げるかもしれない
将来の経済が私たちを消費者として必要とするかはわからない
アルゴリズムの目をひけば、人間の目をひく
子供の養育は、この世で最も重要で大変な仕事
バングラディッシュでつくられていたTシャツが、ニューヨークの3Dプリンタでつくられるようになる
多くの発展途上国が破綻するかもしれない


アルゴリズム・AI
判断や権限は、人間からアルゴリズムになる。配偶者を自由に選べられる最後の時期かもしれない。
今日、真実は、Google検索の上位結果によって定義されている
AI判断、アルゴリズム判断には哲学が必要
答えの出にくい判断に、プリセットで、シューマッハー3割、カント7割などしておきAIに判断させる
20世紀は情報と権力を1箇所に集中するのは効率が悪かったので民主国家の方が優れていた
AIを使えば、集中型国家の方が効率が良くなる
今後20年で、政治家はAIが用意したメニューの中から選ぶようになる
知能と意識は全くの別物
知能は問題を解決する能力
意識は感じる能力
意識や人間の心についてについてよくわかっていない
今日、1%の最富裕層が世界の富の半分を所有している
一般大衆の将来は、少数エリート層の善意次第となる
データの蓄積は、これまでと根本的に違うビジネスを展開する
政治家は、情動と生化学という楽器で演奏するミュージシャン
データは、土地や機械とは違い好きなだけコピーが作れる
映画マトリックスでアルゴリズムにはまった世界を描いている


コミュニティ
百五十人という親密な集団を持てないと寂しさを感じる
親密な関係はゼロサムで、百五十人の他に増えれば、既存のコミュニティが犠牲となる
外国にいる知り合いとテレビ電話で話すのは簡単になったが、食卓の配偶者と話すことは難しくなった
チンパンジーは、自分より弱いものが先にみつけたバナナの財産権をみとめている
謙虚さが重要
実は個人は無知なので他人の考えを信じて集団でいっしょに考えるのは極めて有効
オンライン配信ニュースだと、同じ意見の情報ばかり見ていることに気づけない
人間が世界を支配しているのは、最もうまく協力できるから


ナショナリズム
オリンピックをみると、国家愛というものが世界共通なのがわかる。
国歌も国旗もその意味は似通っている
国旗はみんなの意識をまとめるツール
歴史上今まで、大きなん国民文化ではなくて、親密なコミュニティで暮らしてきた
強力な文化基盤があれば、人々が一体感を持ちうる集団の大きさには上限がない
人々は外国人が嫌いで、身内が好きだ
古くは、どこも自給自足の農村コミュニティだった


グローバル
いま世界中の人がひとつの西洋医学、科学を信じているので、実質的には同一文明に所属している
グローバルな秩序はあまりに複雑で一般に理解できない
グローバルは複雑で、陰謀論で理解するのは単純化しすぎ
ナショナリズムに比べて、世界全体を運営するためのグローバルな実行可能な計画はない
核戦争を防ぎ、グローバルな平和を守る政治体制は極めて難しい
生態系の崩壊、気候変動は最大の脅威
1kgのじゃがいもには、287リットルの水
1kgの牛肉には15000リットルの真水が必要
気候に関して国家に主権がない
今や課題はグローバルなのに、国政だけで立ち向かおうとしている
国の繁栄を守るためには、グローバリストである必要がある
何百年も前、キリスト教やイスラム教はグローバルな観点をもっていた
上流域の人たちが、川を汚せば、下流域は困る。
外国の経済が自国に深く影響している


宗教・信条
聖職者が語った魔法とは、物事の解釈、上手い言い訳のこと
日本は戦後化学と資本主義と最新の軍事テクノロジーに依存する官僚国家となった
もともと日本の伝統的な信仰は、さまざまな神や霊を感じるアニミズム信仰の寄せ集めだった
宗教は、21世紀のグローバルな課題を解決できないように見える
道徳とは、みんなの苦しみを減らすことなので、同族の殺しなどを許さない
幸せになるためには、コミュニティの仲間を気遣う必要がある
怒りからすっかり解放されれば気分がよくなる
苦しみを理解し、さまざまな苦しみが小さい中道をとる
相手の苦しみをとりのぞくことを考える
無知を認めた方が平和的
道を誤ることがないという甘い考えはやめた方がいい
人間の決定のほとんどが合理的分析ではなく、単に情動的な反応と経験則による近道
大聖堂を建てられるのは、神を信じているから
一つだけのアイデンティティしか持たない例はまれで、みんなそれぞれ価値観のポートフォリオを持っている


真実
時間を浪費する余裕がなければ真実はけっして見つからない
真実を知りたかったら、権力のブラックホールから脱出して考える
権力の中心で考えると、世界は歪んでいる
複雑なことを理解し多様に思える方法は3つ。ドラマ化、単純化、陰謀論。
複雑なことは理解しにくいという無知を認めること
コカコーラは爽やか、スポーツと結びついているイメージがあるが、真実は太ることや糖尿病につながっている
会社は法律上の虚構、貨幣は虚構、サッカーも人間が作ったルール上の虚構
物語や、虚構がないと人は信じられない
虚構により苦しみが生まれる。苦しみ自体は現実。
情報源の確かさを確認するのは私たちの責任
信頼できる情報を得るためにはしっかりお金を払うこと
費用のかからないエキサイティングなニュースとともに洗脳を許している
自分は自分の脳の中の枠に閉じ込められているのに気づいていない
脳はさらに大きな枠の、独自の虚構をもつ人間社会の中に閉じ込められている
アイデンティティは神経ネットワークの複雑な錯覚
人生で経験することは、体と心の中に存在している
ひょっとしたら、私たちは、コンピューターシュミレーションの中で生きているのかもしれない
痛みは痛み、恐れは恐れ、愛は愛
変化だけが普遍
考えが生化学的なゆれで生まれることも多い


移民
移民で無力の外国人を受け入れ、下層階級をつくり階層社会をうむ


文化
文化とは大切にしている考え方
歴史とは積み上げられて信じてきたもの


テロ
テロリストはマインドコントロールの達人
わずかな殺しで何十人もの人んに恐れを抱かせる
テロは、心の中の恐れボタンを押して想像の世界をハイジャックする
実は、交通事故で125万人、糖尿病などで350万人、大気汚染で700万人が亡くなっている
軍事行動とは恐れを広めること
ごく小さな組織が何百万人も殺せるようになる


戦争
死因のうち、暴力によるものは、農耕社会で15%、20世紀で5%だった。現在は1%
21世紀過去数十年間は、人間の歴史上最も平和な時代だった
現在、経済的メリットはものではなくデータなので、戦争のメリットは少ない


教育・近未来
自分の人生に何を望むかを知って中心におく すなわち汝を知れ
スマホに釘付けで無表情のゾンビ
学ぶべきものは、クリティカルシンキング コミュニケーション コラボレーション クリエイティビティ
ジェンダーの考え方が進化する
教育内容も進化し2050年には時代遅れになる
経済の意味、人間の意味も変化する近未来
コンピューターのインプラントやサイバースペースでの暮らしが普通になる
人間がハッキングされる時代
気味が悪いほど人間の情動を予測するアルゴリズムになる
今までのアイデンティティや世界観にはしがみつけない
あと数年はわたしたちに選択の余地が残されている


人生・意味
自分ならではの機能を理解することが人生の意味
自分ならではの機能を果たすことが良い人生
意味を物語で語りたがる
自分よりも大きなものの一部になることを感じられるナショナリズム
物語をつくればそれより大きな枠は考える必要がない
仏教とヒンドゥー教は誕生と死の果てしないサイクルという考え方を採用している
自己と、つくりだしては書き直している「虚構の物語」と同一視しない
本当の経験とは、身体的、感覚的なもの
自己と物語を同一視せず、体と心の揺れに注意を払ってみる
苦しみは、これを正しく認識し損なっているから、勝手な虚構によって現れる


瞑想
ひたすら観察する
息に集中するなど、その習慣の現実をひたすら観察する
自分の心については無知で、心は制御不可能なことを知る
心の流れは体の感覚と密接につながっている
私の心は苦しみを生み出すことで反応している
観察できるのは私の心だけ
毎日2時間瞑想している
世の中を変えるためには、関連した組織に加わって行動することが必要

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