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地方公務員の退職理由に関するアンケート

さて、タイトルにもある地方公務員の退職理由に関するアンケートですが、横浜市職員歴30年で、現在は一般社団法人コード・フォー・ジャパンに所属する石塚清香さんが、総回答者数1,085人にも及ぶ回答結果をオープンデータ化してくれました。

石塚さんがこのアンケートを実施しようと思ったのは、自身も元職員として現場を知っている立場から、給与の低さだけが地方公務員の退職増加の原因であるかのような記事を見てイラッときたのがキッカケだったそうです。

そして、このアンケート結果をオープンデータ化した際には、こんな思いも語ってくれています。

私は別に誰かを糾弾したいとか、誰かの味方をしようとかは1ミリも思っておらず、あくまでも仕組み・構造の観点から見て、どうもうまくいっていないという現状の違和感の源を知りたいという欲求だけで動いています。
必要なのは、誰が悪いとかいう犯人探しと刑罰に処すことではなく、私自身も含めてみんなが当事者としてジブンゴトにした上で、みんなで「じゃあどうしようか」と考えていくことではないでしょうか。

今回のアンケートを「自分の働き方を振り返るいい機会になった」と何人かの方に仰っていただきましたが、皆さんもぜひ振り返りタイムを持ってみてくださいね。

「感謝」

アンケート結果については、データを選択して個別の傾向も見れるTableauダッシュボードを作成してくれていますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。

Tableauダッシュボード(by Isao Tada)

https://public.tableau.com/app/profile/tdism/viz/_17193066793520/SurveyResults

私が何故このアンケートに興味を持ったかというと、自分自身が「地域おこし協力隊」という国の制度を利用して移住した経緯があり、制度の都合上、任期中は地方自治体の非常勤職員という立場になり、移住前とは比較にならないほど多くの自治体職員と接する機会が増えたからだと思います。

地域おこし協力隊の任期終了直前には、任期終了後の私の生活のことなどを物凄く気に掛けてくれていた職員の方がいましたが、この方は今年の3月に何の前触れもなく突然退職してしまいました。
このアンケートを見た時に、真っ先に頭に浮かんだ人の一人でもあります。

この方に限らず、羽咋市に移住してからの私たち家族は、非常に沢山の職員の方たちの応援や支えがあったからこそ、ここまでやってこれています。
これは綺麗事でもなんでもなく、心の奥底からの本心です。

行政と民間のロジックの違いにストレスを感じることや、そもそも人として好きになれないタイプの人が一定数存在するのは否定できませんが、地域活性化の観点から見ても地方公務員というのは非常に重要な存在です。

今年の元日に発災した能登半島地震のあとには、行政はサービス提供者で民間はサービス受給者という態度をとっている被災者の行動や発言を多数見聞きしました。
これには強烈な違和感と危機感を持ったことを覚えています。

そういう経緯も踏まえた上で強く思うのは、このアンケートの設問Q5「地方公務員を志望した理由(複数選択可)」に対する回答が、本当に一番の希望だということです。

「地域社会に貢献したいという思いがあったため」が、594名でトップになっています。

しかし、一方で「(現役公務員の方)退職を考えているか」には、


現役公務員786名中、「考えていない」が205名(26%)なのに対し、「考えているが行動はしていない」(366名)、「考えており転職活動中」(112名)、「辞めたくても辞められない」(81名)と続き、退職したいと感じている人が合わせて559名(71.1%)もいることが分かります。

そして、もっとも重要な「退職(検討)理由」ですが、

1位は「組織が旧態依然のままで変革が期待できそうにない」で、石塚さんが最初にイラッときた給与の低さは6位となっており、給与制度の見直し以上に向き合わなくてはいけない問題があることを示しているように感じます。

特に2位の「地方公務員を続ける意義を見いだせなくなった」というのは、「地域社会に貢献したいという思いがあった」志望動機を考えると、とっても残酷すぎる状況とも言えます。

民間の、しかも極めて小さい事業者である私たちにどうこうできる問題ではないのかもしれませんが、行政と民間が少しでも混ざり合うことで起きる化学反応を期待して、私たち地球知足は行政に関わり続けていこうと思っています。

そして、良い結果が生まれた時、私はその現象を「発酵」と呼ぼうと決めています。

さぁ、羽咋市を発酵させるぞー!

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