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「楽譜の新機軸」 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談

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「楽譜の新機軸」① 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)

「楽譜の新機軸」① 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)

2018年に開催した川島素晴さんとのトークイベント「楽譜の新機軸」の文字起こしを公開します。

なんだかんだかなり時間が経ってしまい、情報の鮮度が落ちているところや、今の自分が考えていることと異なるところもあるのですが、2018年当時をアーカイブする意味でも、noteに残そうと思います。

この文字起こし、かなり長いので4つの記事に分けました。興味のあるところから読んでもいいと思います。(③あたり

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「楽譜の新機軸」② 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)

「楽譜の新機軸」② 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)

・今回の日本音楽コンクールの審査に関して川島:今回この結果に関して言うと、つまりこれは第2位に選ばれたということに関して言うと、譜面審査だけになったことだけが選ばれた理由じゃないと思います。なぜかと言うと、従来の日本音楽コンクールでも譜面審査を経て4曲選ばれるんですよね。今回はそのうち3曲が入賞した、というぐらいなので、前回と今回で演奏される作品の誤差は1曲なんですよ。ですから、これは4位になって

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「楽譜の新機軸」③ 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)

「楽譜の新機軸」③ 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)

・演奏不可能性について

川島:歴史的なことを少し確認したいなと思います。この作品(VOX-AUTOPOIESIS)は、そういう意味では、演奏不可能性ということが前提になっているんですよ。ヴィルトゥオジティとかそういうこともやはりあるわけですよ。それこそ、さきほどの話で言うと、ショパンとかリストのピアノ曲とかパガニーニのヴァイオリン曲とかを思い出した時に、ヴィルトゥオーゾはどちらかというと先ほどの

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「楽譜の新機軸」④ 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)質疑応答編

「楽譜の新機軸」④ 楽譜をめぐって川島素晴さんとの対談(2018/11/27)質疑応答編

・質疑応答1質問者1:『VOX-AUTOPOIESIS』では、スタートの音にラの音を選ばれてらっしゃるじゃないですか。この音を選ばれていることには意図があるのでしょうか?

小宮:演奏家と話して、ラの音がちょうどボイスチェンジの場所なので、歌いやすいと言われました。スタートの音は演奏家の身体的な条件に合わせています。ですから、男性のスタートの音はレの音なんです。それぞれの声域に合わせて最初の音を決

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