授業の本質②
前回の続きで授業の本質について書いていきます。前回は抽象的なお話でしたので、今回は実践をもとに話をしていきたいと思います。
前回確認した通り、各教科における本質は、学習指導要領の教科の目標に明確に表されています。
小学校社会科で言えば、公民としての資質・能力の基礎を育成するというところです。具体的に資質能力の三本柱に合わせて書いてあるのですが、車の両輪である知識と思考をコントロールするための態度の重要性について書いていきたいと思います。
この態度は、より良い社会を考え、主体的に問題解決しようとする態度と書かれていて、解説には主体的に学習の問題を解決しようとする態度と、より良い社会を考え、学習したことを生活に生かそうとする態度の2つが示されています。いくら授業の中で知識や技能を身に付けたり、社会の問題について思考判断したりする場面を取り入れたところで、それが教師にやらされて行う学習になってしまっては、その授業だけで終わってしまい、実際の生活に生かすと言う視点がないまま終わってしまいます。教育は学校のために行っているわけではなく、最後は、その子の人生に役立てるために行うものです。そのためには、社会に出たときの練習として、教室の中で社会に生かせるような学びをしていくと言う視点を持って授業を作っていくことが大切なのではないでしょうか。
具体的な実践を挙げると、4年生の「自然災害から暮らしを守る」の学習では、災害から暮らしを守るための市役所の働きや、地域の人々の働きについて学習します。その上で自分たちにできることを選択判断すると思うのですが、実際に地震が起きたときに、どのような行動をするのかと言うことをシミュレーションするような学習も考えられます。風水害に対してはマイタイムライン作りが今回の教科書にも記載されていましたが、いつ災害が起こるかわからない。地震の場合は、自信が起きた後の自分たちの起きているものについてなかなか意識することが難しいと思います。そこでいざと言う時に備えて事前にシミュレーションをしておく話をすること、役立つ場面が来て欲しいわけじゃないですが、いざと言う時に役立つような学習になるのではないでしょうか。
東京書籍の教科書で言うと、学習過程の中の「生かす」の場面の重要性です。時間数の関係でどうしても単元の最後に続いている学習が十分にできない場合もあるかもしれません。しかし、この生かすの場面を大切にすることで、実際の社会に生かそうと言う子供たちの態度につながるのじゃないでしょうか?
今回は授業の本質につながるような実践例について書いてみました。最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。ご意見ご感想はお気軽にコメントいただければうれしいです。
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