見出し画像

アスペ×鬱病、最初は鬱病と向き合うことから始まった

アスペルガーの彼との馴れ初めを書いてきた。彼はアスペルガー、私はうつ病である。

今まで5年間、私たちがどうやってそれぞれのアスペと鬱病に向き合ってきたのかを、私視点から書いていくことにする。


「ごめんなさい」と言った理由

最初に彼が「付き合ってください」と言ってくれた時、私は「無理です、ごめんなさい」と言った。

彼がアスペだったからじゃない(というか、アスペルガーだと発覚したのは付き合って1年くらい経った後だった)。

理由は、私が彼に隠してたことが沢山あったからだ。

料理も掃除も嫌いなこと
大学時代に鬱病になったこと
留学先のアメリカで心理療法を受けたこと
最近カウンセリングを再開したこと
当時の会社を退職しようとしてたこと
家族と仲が悪いこと

今でこそ大っぴらにネットですら公開していることだけど、当時は「他人にバレたら野垂れ死ぬ」と思っていたようなことだった。

だから「ごめんなさい」と言った。

彼は私の目から見たら、そしてそれまで出会って来た人たちと比べたら、すごく穏やかで優しくて「いい人」に見えた。

なんていうか、「私じゃ釣り合わない」って思ったんだ。

本当のことを言ったらきっと嫌われるとか、もしかしたら彼を傷つけてしまうとか、そんなことも思ったかもしれない。


複雑な感情は理解が出来ない彼

この時私は、頑張って出来るだけ正確に伝えようとした。

「付き合いたくない訳じゃないし、あなたはいい人だと思うけど、私の問題で付き合うことがすごく怖いと感じる。今くらいの距離感が丁度いいから、いますぐ付き合うのは出来ない」

と言った。

今思えばアスペの彼は、この半分も理解していなかったに違いない。

「今のままの距離感がしばらく続いて、そんでそのうち付き合うってことね!」

くらいの理解だったんだろう(爆)。

結果的に、そのおかげで私はすごーく助かった。

そのうち鬱病のことを話し、カウンセリングのことを話すようになって、彼が鬱病や心理学の本を買ってきて、読んでくれるようになった。

私が「そこまでさせて申し訳ない」「バレて嫌われるのが怖い」と思ってしまう気持ちも、彼には全く通じなかったのだと思う。

今思えばこの「人の気持ちが理解出来ない」というアスペルガーの特性に、私は逆にすごーく救われていたんだよね。


しばらくして付き合い始めて、最初はおままごとみたいで、本当に楽しかったなー。

結婚したらどうするとか、どんな家に住みたいとか、よくそんな話もした。

私は無事転職して、「子供が生まれても続けて住める家を探そう」って言って探したマンションで一緒に住み始めた。

そしてあの日がやってきた。

彼がアスペルガーだと判明した日、私たちは初めて別れ話も辞さない大喧嘩をすることになったのだった…。


つづく

いつも読んでくださりありがとうございます!直近でいただいたサポートは、引っ越し先で使う新しいカーテンと木の食器のために、大切に使わせていただきます(2019年3月末現在)。