プロローグ⑩〜運命なんて言うな、当然の顔すんな

2019年2月8日

穏やかな日々。来週14日の告知日までは特に病気に対してできることもなく、仕事やら家族との時間やら、淡々と日常としての時間を過ごす。

前回の検査から10日あまり過ぎての告知なんて、なんだか随分と間が空くものだと思う。この10日で取り返しがつかないほど病状が悪化することはないのだろうか?

とはいえ、今だに痛みなどの自覚症状などは何もなく、先日の検査でちぎるように採取された頬の内側などは流石に麻酔が切れてから翌日までは痛かったのだけど、数日経った今はなんともない。

ここまで何も感じないと実はガンでもなんでもなくてただ口内炎がひどかっただけなんじゃね?なんて思ったりもするのだけど、喉元のリンパの腫れは相変わらずあって、しかも日々少しずつ大きくなっているような気はする。こいつに触れるたびに現実に引き戻される。

でもここ数日のおかげで、少しは冷静になれたような気もする。

各種ガンにはウイルス由来のものもあるそうだが、ガン細胞というのは基本的には自己の細胞分裂のミスプログラミングによって発生するわけで、そう考えれば自分の身体の一部なのだと言える。

不思議なもので、そう考えるとなんとなく落ち着くというか、得体の知れない恐怖というのが随分と和らぐ気がする。
もちろん怖いのは怖いのだけど、例えば殺人ウイルス的な何かのような、外的に来訪した圧倒的な暴力に蹂躙されるような理不尽さがないぶん、自分の心持ちとしては一応はまっすぐに受け止めることができるような気がする。

少なくとも過去の積み重ねからたどり着いたのが現在の自分の姿であるのならば、ガンになったのも何かの理由があるのかも知れない。
それが単に自分の不摂生であるならば反省することしきりだが、少なくとも過去は過去。未来とは自分自身で作り上げていくものなのだから、きっと今回の病気も克服できるような気がする。

まずはしっかり現実と向き合うことから始めなくてはいけない。
そのためにははっきりとした結果を知りたいのだけど、14日には完全な答えがわかるのだろうか。

明日は東京は雪だそうだ。仙台まで出張なんだけどね。
新幹線が動いてくれますように。

美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。