時代劇

時代劇といえば水戸黄門とか大岡越前とか暴れん坊将軍とか思い浮かぶが若い人たちはそういう昭和のテレビ時代劇はもうなじみがないというか知らない人が多いらしい。名前だけは知っているが内容はよく知らない。驚いたのは時代劇の定番である忠臣蔵の中身どころか名前さえ知らない若い人がいるという。しかし書店などに行けば時代物の小説は結構出ているし、映画とかも歴史ものもやっているので歴史については興味のある人も多いと思うがテレビ時代劇についてはもうテレビでも再放送くらいしか放送していない。私が子供頃の50年前くらいは毎日どこかのテレビ局で時代劇はやっていた。テレビが一家に一台しかない時代だったので時代劇は毎日のように見ていて時代背景とか言葉遣いとかを自然に覚えてしまった。時代劇を見れば同心と与力の違いもわかるし旗本と大名の違いもわかる。士農工商の身分の違いもわかる。江戸時代の庶民の生活もわかる。それらが学説的に正しいかどうかは別として肌感として江戸時代を知ることが出来る。江戸時代こそ日本人の原型だと思う。そういうテレビ時代劇を見て日本人としての共通の言葉遣いとか喜怒哀楽や人情の機微あるいは社会感覚を身に付けたような気がする。大げさなことを言えばテレビ時代劇が私達のような世代の生きていく上での教材だったような気がする。テレビ時代劇がなくなった今私たちはテレビや映画を観て何か共通な言葉遣いとか生きていく上での社会感覚を持っているのだろうか。テレビ時代劇がなくなって日本人として何か大きなものを失ったような気がする。

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