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歳取って、老けてどうする!?・・・歳を重ねても、心は青春!、これ、大事。

 ここ数年、高齢者の一般的な普段着について違和感を持つようになった。町場の洋服店を見回すと、安いが色が暗い。デザインが小柄の花々がびっしりプリントされたものばかりで、ダサい。茶系、灰色と、ビビッドな色や大胆なデザインが少なく、高齢者に対して『老け』を助長するものばかりである。

 ところが、ブランド服を取り扱う店に行けば、年齢に関係なく、そのお客にフィットするデザインや色合いを選ぶことができ、『上品に歳を重ねる』をアシストするかようなものばかり。同じ高齢者であるが、国内と海外を比較すると、国内のダサい服装のスタンダードが気になって仕方ない。アジア系から輸入されたものは、特に、ダサい。

 筆者は、以前、高級ブランドのスーツや普段着を購入していたが、気づけば、10年以上着ていても、やや色が褪せるものもありはするけれども、縫製がしっかりしており、ホツレもなく、形崩れもなく、今も尚、現役でクロゼットに掛けている。

 一番のお気に入りは、或るブランドのシャツで、世界一点もの。そのブランドの東京コレクションで、男性モデルが1回着たものらしく、まさしく一点もの。某百貨店に無理を言って、展示(非売品)されていたものを購入することができたのだった。

 百貨店から或るブランド・ジャパンへ電話を入れてもらい、1時間ほど待ったろうか、『非売品』を『販売可』としたものだ。こんな冒険は、それが最初で最後だったが、今でも、このシャツはやや色褪せながらも、型崩れなく、1番のお気に入りとして時折着用している。因みに、生地は『紙』のような通気性の良い素材である。

 既に、15年ほど経ったろうか。通常、このブランドのシャツは、一着三万四千円前後なので、当時、値切りに値切って、或るブランド・ジャパンの申し出た二十万円のところを、何とか十万円でゲットしたのだった。

 デザインは大胆で、黒一色のブレザーから胸元と襟が覗く程度が上品であると、自分なりに思っている。(似合っているかは定かでない)

 前置きが長くなり申し訳ないけれども、話を戻せば、国内で販売している高齢者向けの服のデザイン、プリント柄、生地など、「高齢者を馬鹿にしてはいませんか!?」と言いたくなるほど、ファッション性を無視したものが殆どである。『安い、ダサい、長持ちしない。』では、ダメダメである。

 これは昔の話だけれども、小さな女性服専門の店ができた。今は既にないけれども、店の玄関前に段ボール箱が十数箱積み上げられているところに通り掛かったので、話し掛けることにした。

 「へえ、女性用のブラウスとか、一着いくらで販売するんですか?」と聞いてみた。女性のオーナーが、目の前の大きなキューブ型段ボール箱を開きながら、「この箱に20着ほどあるので、自分の見立てで、適当に値札を貼って販売しますが、この箱一つ、一万円。安いでしょ!」と言っていた。

 そこは高齢者向けではなく、或る程度オシャレをしたい年齢層の女性をターゲットにしていたところだが、一万円を20で割り算すると、一着5百円となる訳だ。値札を見ると、一着3千8百円から7千8百円と付いているので、約8倍から16倍で販売することになる。

 まあ、コーヒー1杯の原価を考えれば、1杯のコーヒーが5百円以上の喫茶店では、原価の二十倍程度と聞いたことがあるので、それと比較すると、その女性用のブラウスなどは高くは感じないのだが・・・。

 結局、どこの国で織られ、どこの国でプリント加工を施し、どこの国の工場で縫製して製品化しているかが分からない。食材で言うトレーサビリティはいい加減なものなのかと、かなり勘繰ってしまった。

 特に、並行輸入のポロシャツやその他シャツなどのタグを見ると、二重になっているものもある。例えば、生地素材はアルマーニ、縫製はテリットというスーツも存在する訳だ。この場合は、本物のアルマーニの生地を使ったものであれば、ぶら下がりのスーツが25万円程度が、8万円程度で買えるのなら、縫製次第だが、確かにお得感はある。

 今や、百貨店に行くのがステータスな時代から、モールへと人の足は向いている。しかし、多種多様な商品群を誇るモールであるからこそ、服に関しては、かなり目利きを持って、最新の注意を払い購入しなければ、『安物買いの銭失い』になってしまう可能性もある。

 大都市部に点在する、昔ながらの小さな商店街。その雰囲気は昭和の風が吹きとても好きだが、やはり、ファッションに関しては、もっと工夫を凝らし、高齢者をよりオシャレにすることが必要であると考える。それは、『若くて元気な長寿の秘訣』ではないかと、筆者なりに考えているからだ。

 大阪のおばちゃまが愛用する『豹柄』、『虎柄』も悪くはない。そのインパクトと言えば、笑いも止まるほどのもの。しかし、それなりに似合って、溌剌としていれば、高齢者と雖も、素晴らしいファッションの世界観と言える。

 何はともあれ、『高齢者向けの地味な服』のイメージは、さっさと払拭して貰いたいものである。可愛く歳を重ねるお婆ちゃんには、小洒落な帽子と合わせて、ビビッドなものや、大柄のものをサジェストすれば良いのでは。

 また、お爺ちゃんには、体全体がピシと引き締まる、シャツや胸元のアクセサリーなどを一緒に販売すれば、心は常に青春である。地味な服を着て、グランドゴルフなどに傾注し、下ネタトークで終わるよりも、余生薔薇色の世界を演出されては如何だろうか。

 服飾関係の企業が犇めく現在、国内において、大胆不敵な『ファッション革命』を起こして貰いたいと考えている。良いものを長く愛用するのも『SDGs 』に繋がる訳で、高齢者に対して『補助金』あっても悪くない。

 確かに、素材はこの十数年で格段の進化を遂げている。下着にしても、コットン100%を着て蒸し蒸しするより、涼しく汗をかかぬ合成繊維素材は抜群に心地よい。しかし、アレルギー体質の方は、しっかりと生地を下調べした上で、購入される方が宜しいかと。

 『若返り』や『美容』、『プチ整形』、『健康』などがトレンドとなっている現代、『サプリ』や『人工的なもの』に頼らず、本物の食材(曲がっている胡瓜でも構わない)を美味しく食して、年齢層で区別しない『ファッション革命』を全国に広めれば、医者要らずの『老化防止』の一役を担うのではないかと思うばかり。

 オシャレを忘れ、色気も食い気も好奇心もなくなり、老けることが高齢者の生き方であるなど、六法のどこにも規定はないはずだ。

 可能であれば、皆さんのお爺ちゃん、お婆ちゃんに、大胆なるオシャレのプレゼントをされては如何だろうか!?

『歳を重ねても、心は青春!』。これ、大事。

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