見出し画像

悩みを知って、知ってもらう

前回、こちらのnote(https://note.com/chikami/n/n1f8eb0cf5635)で書いた、企業向けサービス『emol work』の今後について考えてから、2ヵ月してようやく納得のいく形で正式版をリリースすることができました。

そもそも『emol work』は、お仕事上でのメンタルケアを促進する目的ではじめました。
そこで、メンタルのケア方法を提示したり、メンタルの状態を可視化したりすることをサービスの核にしていました。

でも、実際にベータ版でのemol workでわかった問題点は、
"悩みをどう解決するか"
が問題で、メンタルが良いのか悪いのか知っても、それを解決することができないことです。
「何がメンタルケアの一般化だ。ぜんぜん役に立ってないじゃないか・・・」

そこで、メンタルが低下する根本の"悩み"にフォーカスすることで、『emol work』は、AIとのチャットでチームの悩みを可視化するメンタルケアSaaSとして生まれ変わりました。

 悩みを明確にする

自分が何に悩んでいるかをまず言語化するのが難しかったりします。
「なんかイライラするんだけど、どうしたらいいかわからない」
いろんな嫌なことが積み重なって、気分が悪くなっていると何が問題か自分でもわからなくなってしまいます。
まずは気持ちの整理から。emol workでは、AIが色々質問をしてくれます。

スクリーンショット 2020-05-08 19.01.07

スクリーンショット 2020-05-08 19.01.44

AIの会話はCBT(認知行動療法)ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をベースにしたチャットを行えるように設計しています。
CBTが良いのかACTが良いのかは人の性格や悩みによって違います。
わかりやすく言うと、(多少語弊があるかもしれません)

・CBT:具体的な問題を解決することを目的としています
・ACT:あるがままに受け入れることを目的としています

ACTは第三世代の認知行動療法にあたり、マインドフルネス要素がかなり入ってきます。
CBTよりACTの方がemolの考え方に近く、ACTにとても注目しています!

私は、CBT(認知行動療法)を半年くらい実践しました。(その時はACTのことは知らなかった)
私が治したかったのは、「人と話すことが緊張しすぎて、そのことから避けてしまう」と言うことです。
その時の入門として始めたことは、まず具体的にどういう時にそうなるのかを明確にしていくこと。

どんな人と話すのが苦手?
⇒ 威圧感のある人、男の人、マウントを取ってくる人
どんな時がとくに緊張する?
⇒ 大勢の前で話すとき、人に説明しないといけない時
なんでそういう状況で緊張すると思う?
⇒ 失敗して失望されたくないから

と言うような感じで、モヤっと嫌だなーと思っていたことを具体的にしていきます。


目標設定

苦手なこと、嫌だと思うことを明確にした後は、それをどうするかを考えます。

スクリーンショット 2020-05-08 19.02.37

スクリーンショット 2020-05-08 19.03.30

人によってどうしたいかはそれぞれです。
私の場合、下記のようなことが選択肢としてありました。

人と話させるように頑張る?
OR
人と話さないで良い状況にする?

「人と話させるように頑張る」を目標にしました。

そのためにもっと小さい目標を立てます。

1.まずは苦手じゃない人と、無難なコミュニケーションをとる
2.比較的に怖くない人との打ち合わせで、自分から話しはじめる
3.比較的怖くない人との打ち合わせに一人で行く

ちょっとずつ「これならできそうかな?」っていう目的を立てて、成功したら新しい目標、失敗したら目標のレベルを下げるを繰り返して、克服していきました。

そんなこんなで今の私があるのですが、
それをAIがお手伝いしますというのが、emol workのチャット機能です!

画像6


悩みを知ってもらう

自分一人で解決できることなら良いのですが、自分ではどうにもならない問題もいっぱいあります。
とくに仕事になると、自分のことは話しにくいです。

「こんなしょーもないことで相談しにくい」
「こんなことで悩んでるの私だけなんじゃ...」
「他の人の意見が聞きたいけど、質問しづらい」
「誰かに知ってほしいけど、誰が言ってるかは知られたくないー」

emol workでは、悩みを匿名で共有することができるようにしました。

画像5

まずは、悩みを知ってもらうことから。
必ず解決できなくても、"一緒に解決方法を考えてくれる人がいる""相談したらのってくれる人がいる"というだけでも、気持ちが軽くなるし、チームへの信頼感も強まります。

困ったことを安心して共有できる場所があることが、ストレスの蓄積を軽減して、良いメンタル状態を作ることができると考えています。
実際にGoogle社内でも心理的安全性は、かなり重要視されています。


匿名のメリット

実名で悩み相談することには抵抗感を抱く人が多いです。
もちろん「ぜんぜん実名でも気にならない!」って言うすごいチームもいると思います。
私は匿名であることにこんなメリットがあると思います。

<話しにくいことを話せる>
自分ってわからないなら、プライベートな話をしても大丈夫かなと思える
<バイアスがかからない>
あまり言いたくないですが、尊敬できる人の言うことは素直に聞けますが、素直に聞けない相手の場合もあります。匿名だと誰がかわからないので、フラットに解釈することができると思います。
<リアルでは寡黙な人も参加しやすい>
いつもはだんまりで話に入りたくてうずうずしている人でも、自分のイメージ気にせず話に入れます。


変わり種の使い方

悩み共有ツールなのですが、悩み以外にも「こんな面白い使い方できるじゃん!」っていうのを社内メンバーで遊んでいたので、ご紹介。

【ウェブセミナーでのQ&A】
ボードで参加者の悩みや質問を受け付けて、リアルタイムで答えてもらったり、参加者自身がそれにコメントをつけたりして、新しいコミュニケーションツールとしても。

【コミュニティ】
社内メンバーだけでなく、コミュニティーメンバーで悩みを共有しあったり。

【質問箱風】
自分の対しての質問を受け付けて、コメント欄で回答したり。

【自己紹介】
自己紹介にコメントしてもらって、気が合う仲間を見つけたり

【サービスのご意見箱】
ユーザー様からおご意見をいただいたり。


楽しく悩みを共有して心を軽く

楽しんで使っていただけるように、ポップで遊び心を入れたUI・UXを心がけています。

「楽しいからついつい投稿しちゃう!」
「リアクションくれるから、ちょっとしたことでも投稿したくなる!」

悩み相談することを重くとらえないで、まずは楽しんで使ってもらえたらいいなぁと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?